中学教諭の過労自殺で和解=名古屋市が5600万円支払い―地裁

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2025年07月17日 15:01  時事通信社

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時事通信社

名古屋地裁=名古屋市中区
 2016年に名古屋市立中の男性教諭=当時(36)=が自殺したのは過重労働が原因だとして、遺族が名古屋市と愛知県に計約6890万円の損害賠償を求めた訴訟は17日、名古屋地裁で和解が成立した。市が遺族に和解金5600万円を支払う内容で、遺族側は県への訴えを取り下げた。

 訴状によると、男性は15年7月にうつ病を発症した。半年間の休職を経て復職したが、16年12月に自ら命を絶った。休職前3カ月間の時間外労働は、部活動の指導や教材編集などで月平均100時間を超え、23年に公務災害と認定された。提訴後、市側は事実関係を争わず、地裁から和解を提案されていた。

 男性の妻は和解成立後に記者会見し、「夫は目まぐるしい公務の連続から逃れられず限界を超えてしまった」と強調。「多忙で複雑な職務は外注化や専門職への分担が進まなければ改善しない。職務内容が見直され、子どもたちと丁寧に向き合う時間と余裕が確保されるよう願う」と訴えた。

 名古屋市教育委員会の杉浦弘昌教育長は「働き方改革を推進し、教職員の心身が健康で、子どもたちが安心・安全に過ごせる学校づくりに取り組む」とのコメントを出した。 
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