小倉記念2025に出走したタツゴウゲキ(17年8月撮影、ユーザー提供:だんさん) 今年の北九州記念を制したヤマニンアルリフラは、初勝利が未勝利終了後の2勝クラスだった。そこで取り上げたいのが17年の小倉記念を制したタツゴウゲキである。こちらの初勝利は未勝利終了後の500万下(現1勝クラス)だった。土俵際から這いあがり、重賞初制覇を果たした同馬の足跡を振り返る。
タツゴウゲキは父マーベラスサンデー、母ニシノプルメリア、母の父Singspielの血統。栗東・鮫島一歩厩舎の所属馬だった。デビューからの3戦は全て2桁着順に沈み、続く2戦も6着、7着。ここで未勝利は終了したが、中央で現役を続行する。この判断が吉と出て、3歳11月の福島・500万下で待望の初勝利。その後、勝ち切れない時期もあったが、4歳11月の500万下、5歳3月の1000万下と連勝。さらに格上挑戦した七夕賞で6着に健闘すると、小倉記念に駒を進めた。
52kgの軽ハンデもあって4番人気に推された一戦、タツゴウゲキは素晴らしい走りを見せる。道中は好位のインを追走。4角で少し待たされたものの、直線で最内に進路を見つけるとエンジン点火。先に抜け出したサンマルティンを追い詰めると、最後は僅かにハナ差捕らえて先頭でゴール。嬉しい重賞初制覇を果たしたのだった。
これで勢いに乗ったタツゴウゲキは続く新潟記念も制覇。重賞連勝を果たすとともに、サマー2000シリーズ王者に輝いた。結果的にこれが最後の勝利となったが、二度の格上挑戦での勝利、そしてひと夏の輝きは、玄人のファンの記憶に残り続けるに違いない。