ジリジリ感じる太陽の光。みんな日焼け対策ってどれくらいしてる!? 男性もこれからは意識していくべき時代。日焼けに関する知識をしっかり学んでいこう!
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■男性は63%が日焼け止めと無縁
毎日激暑!! これだけジリジリ日光が照りつけてくると気になるのは紫外線の影響。男性もそろそろ本気で日焼けに注意したほうがいいかも? そこで、20代〜60代の男性500人にアンケート調査を実施。令和の男の日焼け意識と正しい対策方法を調べてみた!
まずはアンケート結果の「日焼け止めの使用頻度」を見ると、全体では63.4%が「塗らない」と回答。日焼け止めを使用する男性の割合はまだ少ないようだ。
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また世代別に見ると、「月に1度以上日焼け止めを使用する」と回答した割合は20代が56%、30代が42%、40代が31%......と世代が上になるほど使用しないこともわかった。
しかし! 「世代問わず、今すぐに日焼け対策の開始をオススメします」と注意を促すのは、美容内科医でちぐさ内科クリニック覚王山院長の近藤千種先生。
――そもそも、日焼けすると何が良くないのでしょう?
「病気になる可能性が高まります。慢性的に紫外線を浴びると皮膚がんのリスクが上がりますし、目では白内障や角膜炎になったり、免疫機能も低下したりとさまざまな形で健康に悪影響を及ぼします。
そして、紫外線は肌にとっても凶器。肌が老化する原因の8割は紫外線といわれていて、色素沈着、シミ、たるみ、シワなど見た目年齢が上がる原因になります」
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――20代、30代で紫外線を浴び続けちゃったら、もう手遅れでは?
「紫外線によるダメージは人生を通して蓄積していくものなので、気づいたときが対策の始め時。また、40代を超えると肌の修復力が落ち、紫外線ダメージを受けやすくなる方も多いので、ぜひ今こそ意識を改めていただきたいです」
■「SPF」「PA」とは? 日焼け止めの基礎知識
――サンオイルでも問題ないでしょうか?
「サンオイルは肌にツヤを出してキレイに日焼けするためのもので、紫外線を防ぐ効果は基本的に期待できません。日焼け止めと比べて防御力は低く、しっかり紫外線対策したい場合には不十分です。日焼け止めとはまったく異なるものと思ってください!」
――日焼け止めの選び方がわかりません。「SPF」とか「PA」ってなんですか?
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「まず『SPF』は、皮膚に急性の炎症・赤みを引き起こし、色素沈着やシミをつくる『UV−B』に対する防御力を示す値。数値が高いほど効果も高いです。一方、『PA』はより深い真皮まで到達し、たるみやシワの原因となる『UV−A』に対する防御力を示す値。+が多いほど効果が高いです」
――じゃあ「SPF」「PA」が高いものを選べばいいんですね。
「防御力が高いほど紫外線対策にはなりますが、皮膚への負担も大きく、乾燥しやすいので保湿が大切になります。SPFは最高値が50+ですが、通勤など日常生活レベルなら30程度でこまめに塗り直せば十分に効果が得られます。
屋外で長時間活動する場合は50+をオススメします。ちなみにSPFは50以上になると効果に大差がないと考えられているので、50+(51以上という意味)と表記されます」
――顔に塗ると、汗で目に染みてうっとうしい印象です。
「『敏感肌用』『低刺激』『ノンケミカル』と書かれているものを選ぶといいでしょう。紫外線吸収剤(紫外線を吸収し熱などのエネルギーに変換して放出する成分)は刺激になることがあるため、紫外線を物理的に反射・散乱させる紫外線散乱剤が主成分のものが、より肌に優しい傾向があります」
■失敗する人が多数! 正しい塗り方や落とし方
――日焼け止めの効果的な塗り方ってありますか?
「実は多くの人が適量の2分の1程度しか塗れていないという調査結果もあり、量が足りていないことが多いようです。
日焼け止めに表示されているSPFやPAは、十分な厚みで塗った場合に得られる効果を示しています。特に塗布量が不足すると、防御効果が大きく低下します。
顔全体にはパール粒2個分程度を目安に、ムラなくしっかり塗った上で、同量を重ねて塗ることで、より均一で高い紫外線防御が期待できます。また、耳や首の後ろ、手の甲などは塗り忘れがちなので注意しましょう」
――外出のどれくらい前に塗ればいいでしょう?
「塗った直後から効果が発揮されると考えて問題ありません。一方、汗や摩擦で落ちていくものなので2、3時間置きに塗り直すことが推奨されています。
何度も塗り直すのは大変だと思うので、スプレータイプの日焼け止めを持ち歩くと便利ですよ」
――室内にいるときも塗るべきですか?
「UV−Aは窓ガラスを通り抜けるので、日当たりのいい部屋にいたり、車を運転したりする場合は塗っておくと安心です」
――上手な落とし方は?
「日焼け止めの中にはボディソープで落とせるものもありますが、汗や水に強いウオータープルーフタイプを使用した場合は、顔にはクレンジングや専用洗顔料の使用が勧められます。
体はボディソープで丁寧に洗えば十分落とせることが多いですが、製品表示を確認しましょう。特に顔は皮膚が薄くデリケートなため、低刺激の洗顔料で優しく洗うことが大切です」
■20代男子は4割所有! 「日傘」は使うべき?
続いて、もうひとつのアンケート「日傘を持っている?」の回答を見てみよう。全体平均では76.6%が「持っていない」という結果になった一方、20代は40%が「持っている」ことが発覚!
――若年層には浸透しているけど。帽子じゃダメですか?
「まず帽子よりも日傘のほうが熱や紫外線をカットする機能が高いので、頭の温度上昇を抑えられて、熱中症リスクは確実に軽減できます。通気性が良くムレないので、髪型が崩れる心配も減りますよ」
――どう選べばいいのかまったくわかりません。
「チェックすべきは素材よりも『遮光率』。日傘には必ず書かれていると思いますので、99%以上のものを選んでください。
99%未満でも日差しのカットはできますが、真夏の強烈な日差しを防ぐには99%以上が推奨されています。日焼けで赤くなりやすい方やシミをつくりたくない方は99〜100%を選びましょう」
――100%遮光は本当ですか?
「『100%完全遮光日傘』は、生地が紫外線や可視光線をほぼ通さない構造になっており、光の透過率が非常に低いのが特徴です。
差すと明るさがかなり抑えられ、まるで夜になったように感じるほどの遮光効果があります。通気性はやや劣りますが、徹底的に紫外線を遮りたい方にはオススメです」
――色によって効果が変わったりしますか?
「基本的には外側が紫外線を吸収しやすい黒、内側が熱をためない白が理にかなっていると考えられています。
ただ、最近は地面に反射して届く紫外線を吸収する目的で内側も黒く設計している日傘も増えているので、そこはよく使用するシーンやお好みで選んでいただければと思います」
■まだまだある! 日焼け対策術
――UVカットウエアというのは効果ありますか?
「紫外線を物理的に遮断できるのでもちろん効果あり。全身を守るためには長袖を着る必要がありますが、日焼け止めのように塗り直す必要がないので、肌が弱い人にもオススメです。衣類の紫外線防御効果を表す『UPF』の数値が高いものを選びましょう。UPF50であれば紫外線の98%以上をカットできます」
――"飲む日焼け止め"なるサプリも見かけますが、効果のほどは?
「日焼け止めのように紫外線を直接防ぐ効果はありませんが、抗酸化作用のある成分を含むサプリメントは紫外線による酸化ストレスの軽減を目的とした補助的対策として使われることがあります。
日焼け止めや日傘の代わりにはならないため、あくまで併用が前提です。体質によって合わない場合もあるため、使用する際は医師に相談することをオススメします」
――結局、一番効果的な日焼け対策ってなんでしょう!?
「可能な限り多層的に防御することです。日焼け止めと日傘で遮光しつつ、防ぎきれない場所はUVカットウエアで隠し、サプリでインナーケアもする。大変かもしれませんが、この先の健康面も見た目もかなり差がつきますよ!」
未来の自分への投資だと思い、皆さんも対策を!
取材・文/かくしごと 写真/PIXTA