ポルシェが公開した、2026年正式デビュー予定の新型911 GT3カップカーのテスト車両 ポルシェは、第2世代となるタイプ992 911 GT3カップカーを発表した。このマシンは、2026年にポルシェ・モービル1・スーパーカップ、そしてカレラカップ・ノースアメリカを含む世界各地で開催される一部のカレラカップシリーズへの投入に先立ち、今夏に世界デビューを飾る。
現行の911ロードカー、タイプ992.2をベースとしたこの新型レースカーは、現在はカモフラージュカラーリングのみで公開されているが、ポルシェの声明によると、開発段階はすでに「ほぼ完了」しているとのこと。
新型車の開発は2024年にバイザッハのポルシェ・モータースポーツで開始され、フロントエンドの空力特性の改善に加え、2021年にデビューした初代タイプ992カップレースカーのエレクトロニクス、ブレーキ、トランスミッション、そして6気筒水平対向エンジンの強化に重点が置かれた。
「現行のGT3カップは、すでに非常に高いパフォーマンスレベルで運用されている」と、ポルシェ・モータースポーツのGTレーシングカー担当プロジェクトマネージャー、ヤン・フェルドマンは述べている。
「これにより、世界的なワンメイクカップからのフィードバックをより重視し、現行のカップ911と比べて多くの点で改良されたレーシングカーを開発することができた」
これまで、モンツァ、ラウジッツリンク、そしてバイザッハにあるポルシェのテストトラックでサーキットテストが行われており、元ポルシェ・ジュニアのバスティアン・ブースとクラウス・バッハラーがテストの大部分を担当している。
また、ポルシェと契約しているドライバーのローリン・ハインリッヒとマルコ・ゼーフリードも、この新型車をテストしている。
これまでのテストプログラムでは、今年のスーパーカップでデビューしたe フューエル・ブレンド燃料のみが使用されている。そのほかのこの車両の技術的詳細は、まだ発表されていない。
ポルシェは、この車両の生産を今秋、ツッフェンハウゼン工場で開始し、来年から段階的に複数のワンメイクシリーズに展開していく予定だ。2026年には、カレラカップ・アジアもこの車両が参戦するシリーズのひとつになると考えられている。
ポルシェは、1990年に最初のカップシリーズを開始して以来、911をベースにしたワンメイクレースカーを合計5381台生産してきた。
[オートスポーツweb 2025年07月19日]