
京都府南丹市美山町深見の国道162号沿いに、古民家を改装したクレープ店が開業した。大阪市から移住した女性が、美山産の牛乳や卵などを生かしたボリューム満点の米粉クレープを焼き、白壁や黒いはりが趣深い店内で味わえる。山間部の深見に唯一の飲食店として、住民や観光客がくつろいでいる。
店は「美山町深見のおやつ屋さん」。
店主の橋本洋子さん(50)は訪問理美容師をしてきたが、豊かな自然を求めて2年前から同町での農業体験に参加。毎週のように通う中で、こだわって生産される多彩な食材を知った。
ベーカリー経営、クレープ店勤務の経験もあり、「クレープの材料が地元でそろう」と直感。元かやぶきの空き家に移住し、壁を自分で塗り直すなど1年間の準備を経て、先月開店させた。
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直径40cmの焼き台いっぱいに生地を広げ、小麦粉より「少しもちっとする」という米粉のクレープを焼く。
美山牛乳と平飼い卵で手作りしたカスタードクリームをたっぷり入れた「チョコバナナ」が特に人気という。玄米のポン菓子も散らし、食感に変化を生む。
ソーセージやチーズを巻いた昼食にも向くメニューや、イチゴなど旬の果物を使った商品もある。季節に応じて、美山産のブルーベリーやユズも取り入れていく。
山あいでは希少なクレープ店として、親子連れらが盛んに訪れる。飲食店がなかった深見の住民が気軽に歓談できる場にもなり、橋本さんは「ワークショップなどもして、人が集まる場にもなれば」と思い描く。
月〜水曜休み。クレープは午前11時〜午後4時。午前7時半〜11時はホットドッグや焼き菓子のみのモーニングメニューで営業。詳細はインスタグラムへ。
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(まいどなニュース/京都新聞)