経済同友会の夏季セミナーで発言する新浪剛史代表幹事=19日午後、長野県軽井沢町 経済同友会は19日、長野県軽井沢町で開いた夏季セミナーで、参院選の争点にもなった外国人政策などを議論し、2日間の日程を終えた。新浪剛史代表幹事は、人口減少を念頭に「介護分野を含め外国人と共生する仕組みづくりなくして私たちの社会は存続し得ない」と訴え、「日本人ファースト」の風潮が広がることを憂慮した。
国立社会保障・人口問題研究所は、日本の人口に占める外国人の比率が2070年に約1割に達すると推計。外国人は経済成長に不可欠な存在との見方が多い一方、参院選では不動産取得の規制強化などが争点に浮上。SNS上では「犯罪や事故の増加をもたらしている」など、真偽不明の投稿も飛び交った。
浜松市長時代に外国人の子どもの「不就学ゼロ」に取り組んだ鈴木康友静岡県知事がゲストとして登壇し「統計上も肌感覚でも外国人の犯罪発生率が日本人より高いことはない」と排外的な見方をけん制。その上で「外国人を(労働力をもたらす)ロボットではなく人間だという視点で捉えることが重要で、その子どもには教育が必要だ」と強調し、国に予算の拡充を求めた。
ロイヤルホールディングスの菊地唯夫会長は外国人の働き手に関し「永住希望者らに企業がもっとキャリアパスを明確にすべきだ」と語った。