湘南は主将の鈴木章斗(右)が待望のゴール [写真]=
兼子愼一郎 2025明治安田J1リーグ第24節が19日に行われ、湘南ベルマーレとセレッソ大阪が対戦した。
東アジアE-1サッカー選手権2025が行われていた関係で、約1週間の中断期間を挟んだ2025明治安田J1リーグ。再開初戦では、なかなか調子が上がってこない湘南と、“大阪ダービー”の黒星から仕切り直しの一戦となるC大阪が相まみえる。
湘南は前節終了時点で6勝5分11敗の成績で、現在の順位は17位。降格圏の18位横浜FCとの勝ち点差は「4」で、安全圏に浮上するためにも、8試合ぶりの白星を手にしたい。対するC大阪は、9勝6分8敗の成績で現在は9位につける。上位陣に詰め寄るためには、リーグ戦での連敗は避けなければならない。
両チームともに16日には天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会を戦っており、中2日と過密スケジュールで迎えるゲーム。C大阪は徳島ヴォルティスを2−0で下したのに対し、湘南は120分間を戦った末に清水エスパルスに0−1と敗北を喫した。湘南は同試合から4名を変更しており、新加入の太田修介がデビューを飾る。C大阪は天皇杯からスタメン5名を入れ替えた。
試合は立ち上がりの6分に動く。ピッチ中央付近でボールを持った香川真司が右サイドへ長いボールを送ると、カバーしていた太田の処理が中途半端となり、ルーズボールにラファエル・ハットンが反応。ダイレクトでスペースへ流し入れると、最後はルーカス・フェルナンデスが冷静に流し込み、C大阪が幸先良く先手を取った。
湘南としては先手を取られる苦しい立ち上がりとなったものの、ビハインドの時間を長くは続かせない。14分、松村晟怜からの縦パスを引き出した平岡大陽が横へ渡すと、小野瀬康介が右サイドのスペースへスルーパスを送る。スピードを上げた藤井智也がグラウンダーのボールを折り返すと、小野瀬が繋ぎ、最後は鈴木章斗がダイレクトで押し込む。10番を背負う鈴木にリーグ戦では20試合ぶりのゴールが生まれ、湘南が試合を振り出しに戻した。
その後は1−1の時間が長く続いたものの、前半終盤に再びスコアが動く。42分、C大阪の最終ラインでボールを持った畠中槙之輔に対して鈴木章斗がプレスをかけ、ボールを奪うと、ニアサイドに飛び込んだ平岡がグラウンダーのボールをうまく仕留める。湘南が逆転に成功し、ハーフタイムに突入した。
後半へ入ると、立ち上がりの47分にC大阪が反撃。敵陣中央でクリアボールを拾った香川が左足で繋ぐと、チアゴ・アンドラーデがダイレクトでスルーパスを通す。抜け出したラファエル・ハットンが放ったシュートは、松村が体を張ってブロックしたものの、こぼれ球を拾ったハットンがシャペウで松村を抜き去り、左足で強烈なシュートを突き刺す。ハットンの見事な個人技で、今度はC大阪が同点に追いついた。
さらにC大阪は73分、途中出場していた中村拓海からのパスを受けた香川が、最終ラインを破るスルーパスを通すと、抜け出したチアゴ・アンドラーデはGKポープ・ウィリアムを抜き去って無人のゴールへ。C大阪はブラジル人の3トップ全選手が得点を挙げ、再びリードした。
だが、湘南もこのまま引き下がらない。87分、敵陣左サイドでサイドチェンジのボールを受けた石橋瀬凪がドリブルで仕掛けると、ボックス内で中村拓海に倒され、PKを獲得。キッカーを務めたルイス・フェリッピがゴール左下に沈め、湘南がまたも同点とした。
試合はこのままタイムアップ。撃ち合いとなったゲームはドローで終了した。
2025明治安田J1リーグは今節をもって中断期間に突入。天皇杯を挟んで迎える次節、湘南は8月10日にアウェイで柏レイソルと、C大阪は11日にホームでアルビレックス新潟と、それぞれ対戦する。
【スコア】
湘南ベルマーレ 3−3 セレッソ大阪
【得点者】
0−1 6分 ルーカス・フェルナンデス(セレッソ大阪)
1−1 14分 鈴木章斗(湘南ベルマーレ)
2−1 42分 平岡大陽(湘南ベルマーレ)
2−2 47分 ラファエル・ハットン(セレッソ大阪)
2−3 73分 チアゴ・アンドラーデ(セレッソ大阪)
3−3 89分 ルイス・フェリッピ(PK/湘南ベルマーレ)