函館2歳Sに出走するブラックチャリス(撮影:山中博喜) 函館2歳Sは、2歳世代初のJRA重賞。キャリアの浅い馬同士の1戦ということもあって波乱含み。昨年は8番人気のニシノラヴァンダが2着に逃げ粘り、一昨年は10番人気のゼルトザームが勝って3連単では34万円を超える波乱となった。今年の開幕したばかりの頃は全体に速いタイムが連発していたので、時計を鵜呑みにできない面もあるかもしれない。将来性はもちろんだが、現時点での完成度も加味しておく必要がありそうだ。
◎ブラックチャリスは函館競馬場芝1200mのレコードホルダー。そのデビュー戦は互角のスタートから逃げ、先行馬を見るような好位集団でレースを進めると、最後の直線では逃げ粘ろうという2着馬をあっさりと突き放し、前の週に塗り替えられたレコードタイムをあっさりと更新した。そのスピードもさることながら、大人びたレース内容が印象に残る。将来性も楽しみだ。
〇エスカレイトは函館競馬場芝1200m新馬戦優勝馬。あまりレースというものを理解していなかったようで、初戦は出遅れたうえに行き脚が付かず後方に。それでも、ペースが緩んだのに乗じて進出すると、あっという間に好位に取り付き、最後は外からねじ伏せた。長く良い脚を使えることを示した1戦だったが、競馬を使われたことでピリっとしてくれば大きな上積みも期待できそうだ。
▲スペシャルチャンスはホッカイドウ競馬所属の快足馬。デビュー戦では不良馬場だったとはいえ1000m59秒2をマークした。芝適性に関しては未知数も、母はスピードとレースセンスを武器に全5勝を芝コースで記録したターフランナー。小柄な馬だけに力を要するダートよりも芝コースの方が適した条件かもしれない。
△カイショーは芝1000m2歳レコードホルダー。ハギノトップレディが1979年(昭和54年)にマークした2歳レコードを46年ぶりに塗り替えた。激しくなりそうな先行争いを捌けるようだと怖い1頭だ。デビュー2戦目に味のある競馬をした△タガノアラリアと、前走で逃げなくても競馬が出来ることを示した△トウカイマシェリも大きな差はない印象だ。