スマホからミラーレス一眼にした人が見落としがちなこと レンズフードと視度補正の話

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2025年07月20日 08:40  ITmedia NEWS

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ズームレンズでは広角側に合わせたサイズのフードがつく

 最近、ミラーレス一眼界に動きがあって、この業界の端っこにぶら下がってる身としては大変うれしいのだけれども、スマホから一気にミラーレス一眼へ行っちゃうと見落としがちな、地味だけど大事な機能や機構ってのがあるなあ、と最近思うのである。


【その他の画像】


 そこで、大事だけどあまり語られない2点を取り上げてみた。


・1)レンズフードは大事なのでちゃんとつけよう


 知人のフォトグラファーが、最近、たまに見かけるレンズフードを逆さにつけたまま撮っている人がすごく気になると言っていたのが、この話をしようと思ったきっかけだ。


 確かに言われてみると、わざとなのか面倒くさがってるだけなのか、たまに見かけるのである。


 考えてみたら、カメラ入門的な記事でレンズフードってあまり語られてないな、スルーされがちだなと思ったのである。エントリー向けの廉価なレンズにはフードを同梱しない(別売)メーカーもあるくらいだし、最近増えているエントリー向けの沈胴式ズームレンズだとレンズフードを付けられないケースもあるし。


 そこで、そういう撮影には直接関係なさそうな語られそびれがちな話をちょっとしてみたい。


 レンズフードって必要なのか。


 人間でいえば帽子のつば、あるいはサンバイザーみたいなもの。斜め上からの太陽光がまぶしすぎて見たいものをよく見えないとき、帽子のつばとかサンバイザーとか手をかざすとかでくっきり見えるようになるよね。


 レンズフードも同じようなもの。本来なら不要な斜め方向からの光を遮ってくれる。撮影には不要な、つまり画角の外になる光だから最終的な写りには関係なさそうだけれども、レンズに斜めからあたった、本来ならイメージセンサーまで届いてはいけない光が複数のレンズ内で妙に反射して届いちゃうことがある。余計な光が入り込むせいで画が白っぽくなる(コントラスト低下)することもある。それはまずいので、フードで遮るのだ。


 特に逆光気味の時に効果が大きい。極端な例を一つ。


 イマドキの普通のレンズではさすがにここまではならないけど、極端な例ってことでちょっと前のiPhoneに登場願った。ちなみに、レンズフード代わりに手やちょっとした紙で横からの光を遮ってやると消えます。


 ミラーレス一眼での例も一つ。最近のレンズは優秀なのでレンズフードがないからといって、すぐおかしな映りになるわけではないけど、こういう差が出ることはある。


 ただ、レンズフードってけっこうでかいので、バッグの中では逆さにつけて収納し、取りだしたらつけなおすのが基本だ。ひと手間かかるけど、慣れたら大したことはない。


 なお、レンズの画角によって必要なフードの長さは違う。広角レンズは広い範囲を写すから大きなフードを付けると派手にケラれちゃうから。レンズ径が同じなら装着できるけど、ちゃんと専用のものにすべし。


 ズームレンズだと広角側に合わせたサイズ、形状のフードになるからズーミングしたときの効果は小さくなるけど、それはまあしょうがない。


 レンズフードはもう一つ、大きな仕事をしてくれる。


 それはレンズの保護。


 レンズフードがついていれば、ちょっとしたことでレンズをどこかにぶつけそうになっても、先にフードに当たってくれるので助かるし、不用意にレンズ面を指で触って汚しづらくなるし、ちょっとした小雨くらいならレンズを濡らさずにすますこともできる。


 マメにレンズキャップをつけるとか、撮影時以外はカメラをすぐバッグにしまうとか、そういうマメできっちりした人ならいいけれども、アバウトに生きてる人にとってはレンズ保護って側面はすごく大事だ。


 なので、レンズフードはきちんとつけることを強くおすすめします。「きちんと」ってのが大事。


 昔、レンズフードをはめるときだか外すときだかに手がすべって脱落してころころと車道に転がっていって自動車に踏まれて粉々になったこと、あるから。


・2)視度補正をすればファインダーは快適に


 もうヒトネタ。直接撮影に関係ないけど、必要な人にはものすごく重要なのにあまり語られない、ファインダーを持っているカメラならまず搭載されている機能の話。


 それは「視度補正」。


 裸眼で視力1.5くらいある人は、現代人にはあまりいないかと思う。メガネやコンタクトレンズは視力を矯正するけど、だいたい1.0から1.2くらいにとどめるよう度数が調整されている。わたしは近視で老眼でメガネしてるけど、矯正視力はだいたい1.0くらい。


 でも、ファインダーを覗くときは可能な限りディテールまで見たい。あるいは、ファインダーを覗くときはメガネを外したいという人もいるだろう(メガネをかけてると、どうしても接眼部と目の間に余計な光がはいっちゃうから)。


 そんな人を助けるのが「視度補正」機構だ。ファインダー部の横についている小さなダイヤルがそれ。


 ファインダーを覗いた状態でこのダイヤルを回し、ピントが一番合う点を探す。ミラーレス一眼の場合、EVFのスクリーンと接眼部の間にレンズが入っていてそれを調整する感じだ。


 機種によって場所やダイヤルの形状が違うのでいくつか例を。


 ファインダー内の撮影情報の表示が一番くっきり見えるところを探すのがこつ。それが一番確実だ。


 カメラによって視度補正リングが回しづらい位置にあったり、逆に触れやすい位置にあって気がつくとずれてたことがあるのは難点。なので、メーカーの皆様には、とりあえず視度補正リングにロック機能をつけていただきたいと思っております。


 最近はファインダーがついていてもそれを使わないで背面モニターで撮る人も増えているが、ファインダーには三つのメリットがある。


 一つは撮影に集中しやすいこと。実際に撮影される範囲しかみえないから。


 もう一つは背面モニターよりクオリティが高いこと。ファインダー(つまりEVF)の方が解像度が高くてディテールまで確認できる。


 三つ目は外光の影響を受けづらいこと。晴天下だと特に背面モニターは外光のせいで見づらかったり、露出が分かりづらい。その点、ファインダーはアイピース部に直接顔をつけるので、外光を遮ることができる。


 私はメガネをかけてるのでどうしてもメガネと裸眼の間に余計な光がはいっちゃうけど、まあそれは自分のせいだ。


 一般に、撮影した画像の再生は背面モニターで、って人が多いと思うけど、上記の理由で「撮影は背面モニタで行っても撮影した画像の確認や再生はファインダーを使うべし」という人もいる。


 確かにその方がディテールまで確認しやすい。


 顔がカメラにつくのがいやだとか化粧がつくのがいやだとかまつげが当たるのがいやだとか、そういう人はしょうがないけれども、ファインダーはイマイチ使いづらいと感じている人は、ぜひ視度補正機能を使って自分の目でピントが合うよう調整して覗いてみてほしいと思うのである。


 特に老眼がはいってくると背面モニターが見づらくなるしね。


 と、知ってる人にとっては当たり前なのだけど、知らないと見逃されがちで、地味だけど実は重要な2点について取り上げてみた。


 たまにはレビューでは触れないこういう細かい話もしたいと思っております。



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