デイ2のSS3から総合首位に立っているオリバー・ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第8戦エストニア 7月19日(土)、WRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・エストニア』の競技3日目、SS9〜17がエストニアのタルトゥを中心に行なわれ、トヨタ・ガズー・レーシング・ワールドラリーチーム(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組が総合首位をキープするとともに、後続とのギャップを拡げている。
同じくトヨタGRヤリス・ラリー1をドライブするTGR-WRTのメンバーも前日の順位を守っており、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合4番手、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が同6番手、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が7番手、TGR-WRT2からのエントリーしているサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組は総合8番手だ。
高速グラベル(未舗装路)イベントの『ラリー・エストニア』。引き続き晴天に恵まれたデイ3は、タルトゥのサービスパークの南側エリアが戦いの舞台に。森林地帯で4本のステージを各2回、一日の最後にスーパーSSを1回、都合9本のステージの合計距離は125.76kmと4日間で最長の一日となった。
フルデイ初日のデイ2で、自身初となるステージウインを含む3度のベストタイムを刻み、総合2番手のオイット・タナック(ヒョンデi20 Nラリー1)に12.4秒差をつけて首位にたったソルベルグは、出走順の優位性がなくなるなか、デイ3でもライバルを上回るスピードを見せた。
後に「クルマは本当に調子が良く、自分の走りだけに集中することができた」と語った23歳のスウェーデン人ドライバーは午前中の4SSのうち3本で最速タイムをマークし、日中のサービスまでに後続との差を22.8秒とした。一方、午後のループにはクレバーなアプローチで臨み、今大会7度目のステージウインを飾ったSS15以外は2、3番手のタイムで走行。タナックに21.1秒差をつけ、最終日に向けて首位の座を堅持した。
2番手を争うヒョンデのタナックとティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)を追いかけるロバンペラは、「全力で挑んでもペースが足りず、これ以上は何もできない状況」と苦しんだ。それでも総合5番手のアドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1)に16.6秒差をつけ総合4番手の座を守っている。
そのフルモーと僅差の5番手争いを繰り広げた勝田だが、「何かが少しおかしいように感じた」という午後はやや差が開き、ライバルと8.6秒差の総合6番手に。選手権リーダーのエバンスも「期待していたように順位を上げることができなかった」と前日と同じ7番手。
前日にブレーキトラブルに見舞われたパヤリも、「順位争いをするのは難しい状況だったので、次のフィンランドに向けてできることの準備に取り組んだ」とし、8番手で一日を終えている。
「オリバー(・ソルベルグ)は今日も素晴らしい仕事をしてくれた」と語るのは、TGR-WRTチーム代表代行のユハ・カンクネン。「デイ2は出走順を最大限に活かしての結果だったが、今日は他のドライバーとほぼ同じペースを発揮できたことが、非常に印象的だった」
「彼はクルマを扱いやすいと感じているようだし、大きなリスクを冒すことなく良いタイムを出すことができている。明日はまだ長い一日ですが、これまでと同じように走りさえすれば、きっとうまくいくはずだ」
「他のドライバーたちにとっては、それほど楽な一日ではなかったが、明日も追加ポイントを獲得するチャンスは充分ある」
その日曜のデイ4は、SS18からSS20まで計3本のステージで争われる。SS19の再走行ステージとなる最終SS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”に設定されている。
[オートスポーツweb 2025年07月20日]