レース終盤の激アツバトルを勝ち抜いた太田格之進が第7戦を制し今季3勝目! 岩佐歩夢が2位、坪井は3位

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2025年07月20日 18:30  AUTOSPORT web

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太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) 2025スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士
 全日本スーパーフォーミュラ選手権第4大会は7月20日(日)、静岡県の富士スピードウェイで第7戦の決勝レースが行われ、終盤の非常に激しいバトルを制した太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が逆転で今季3勝目を飾った。2位は岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、3位はポールポジションからスタートした坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)となった。

 公式予選の後、約3時間ほどのインターバルで迎えた第7戦の決勝レースのスタート進行だが、開始前に珍しいトラブルが発生した。一度レコノサンスラップが行われた後、各車に取り付けられたトランスポンダーのバッテリートラブルが一部で発生。交換作業が必要となり、当初予定されていた15時15分からスタート時刻が大きく遅れることになった。15時10分から改めてレコノサンスラップが10分間行われ、42分遅れとなる15時57分にフォーメーションラップが始まった。

 スタートでは、ポールポジションの坪井に対し、好スタートを決めた太田がTGRコーナーでトップを奪う。ただ1周目、左右から揺さぶりをかけると、13コーナーでアウトから豪快に太田をオーバーテイク。トップに返り咲きオープニングラップを終えることになった。さらに、太田の後方には4番手スタートの大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が浮上。佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が続いた。

 この第7戦は前日よりも5周多い41周ながら、タイヤ交換のタイミングは自由。タイヤのライフが気になる状況ではあるものの、1周目から福住仁嶺(Kids com Team KCMG)がピットに向かったほか、オープニングラップのバトルの中で接触した高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)がピットに入っている。

 5番手につけていた岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が7周目にピットに入るなど、序盤から少しずつピットインを行っていく車両が出はじめるなか、トップの坪井と2番手の太田のギャップは1秒以内のまま続き、佐藤が3番手の大湯を9周目にオーバーテイクし表彰台圏内に浮上する。ポジションを落とした大湯はそのままピットインしたが、ピットアウト後は今度は早い段階でピットインしていたイゴール・オオムラ・フラガとバトルを展開するなど、PONOS NAKAJIMA RACINGとの戦いを強いられた。

 そんな争いのなか、13周目の300Rではアクシデントが起きる。1周目にピットインしていた福住の左フロントタイヤが外れストップ。これはフェンス開口部に停止したことからわずかなイエローフラッグ提示で済んだものの、16周目には13コーナーで野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)の左フロントタイヤが外れてしまうことに。この回収のため、セーフティカーが導入されレースの分岐点になった。

 このタイミングで首位の坪井、2番手の太田、3番手につけていた佐藤、4番手の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)など上位につけていた12台が一斉にピットインするが、第1セーフティカーラインに到達するまでに、7周目にピットインしていた岩佐が坪井をはじめとした集団を先行。これで一気にトップに浮上することに成功した。

 レースは25周目にリスタートを迎えるが、トップの岩佐は絶妙なリスタートをみせ坪井をリード。太田が続いていった。ただ、坪井はジワジワとその差を縮めていくと、30周目に勝負をかけた。オーバーテイクシステムを起動させ岩佐に襲いかかると、半周に渡って岩佐と坪井がサイド・バイ・サイドの激しいバトルを展開する。ただ、このバトルの中で坪井はオーバーテイクシステムを使い切ってしまったほか、岩佐もほぼ残量がなくなった。

 この機を逃すまいと、31周目に攻勢を仕掛けたのが3番手から2台の戦いに続いていた太田。まず坪井をかわすと、33周目のTGRコーナーでは一気に岩佐もオーバーテイク。これでトップに立つと、そのまま大きなリードを広げ、7.127秒のマージンを築きフィニッシュ。逆転で今季3勝目を飾ることになった。

「最高です! 昨日はペースがあったのに悔しいレースになりましたが、今日はチームとやってやろうという気持ちでした。最高のクルマを用意して下さいましたし、こんなたくさんのファンの皆さんの前で勝つことができて本当に嬉しいです」と太田は2万7300人のファンの声援に応えた。

 オーバーテイクシステムをほぼ使い切った岩佐だが、そのまま坪井を振り切り2位でフィニッシュ。4番手につけ表彰台をうかがう走りをみせた小林可夢偉(Kids com Team KCMG)から逃げ切った坪井が3位で表彰台を守り切った。4位は今季最上位の可夢偉。佐藤が5位でフィニッシュしたものの、セーフティカーラン中のオーバーランがあり、5秒のタイムペナルティが課され6位に。5位はサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)だった。

[オートスポーツweb 2025年07月20日]

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