太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) 2025スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士 7月20日、静岡県の富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の決勝レースが行われ、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が勝利を飾った。2位には岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、3位には坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が入った。決勝後に行われた記者会見には、上記3名と優勝チームの村岡潔チーム・プリンシパルが出席し、それぞれが決勝レースを振り返った。
■太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)予選:2番手 決勝:優勝
「ここで僕が坪井選手を止めておかないと、残り2戦もその流れでそのまま勝たれてしまうと思っていました。僕が得意とする鈴鹿サーキットのような状況で、相手にひとつ土をつけるということは、メンタルスポーツのスーパーフォーミュラにおいて、チャンピオン争いするうえでも非常に大事な1戦になるだろうというのはレース前から感じていました」
「昨日も帰る時に、『明日は絶対勝つ』という話をしましたし、予選のトラックリミットのミスもチームに対して申し訳なかったです。それでも、レースペースだけを考えれば、前の方からスタートで来ていればレースで優勝できるはずだと思っていたので、そういった自信もありつつ、今日は勝つと自分に言い聞かせて臨みました」
「その中で予選・決勝とうまくまとめられたと思いますし、ライバルと同じタイミングでピットに入って、ガチンコで争って競り勝ったという部分が僕としては本当に嬉しいですね。これで自身6勝目ですが、今までの中でも、結構嬉しいと思える1勝になりました」
──セーフティカー導入後の展開については
「すでに岩佐選手がピットインしていたことも知っていたので、あのタイミングでのSC導入は予想外でした」
「前の坪井選手に対してアンダーカットをしたいと考えていた状況だったので、同じタイミングでピット入ることになり、自分の力でなんとかしないと優勝は見えない展開になってしまったので、そこからはもうすべてを出し切ったレースができました」
■岩佐歩夢(TEAM MUGEN)予選:5番手 決勝:2位
「結果としては、よかったのではないかと思います。セーフティカーが入りましたが、自分にとってもネガティブな展開に思っていて、タイヤの周回数の差ができた状態で真後ろにライバルが来たら絶対に抜かれてしまうだろうと最初は感じました」
「ただ、自分のペースもさらに改善されて悪くないフィーリングもありましたし、僕がどうにかするしかない状況でしたので、とにかく自分ができることをひとつひとつやりきった結果だと思います」
「セーフティカー中のタイヤマネジメントやその後のリスタートも含めて、本当に今回のこのレースの中では、一番最高の結果を出せたのではないかと感じています」
──太田格之進との首位争いについては
「正直、太田選手が僕の真後ろに来た時点でちょっと苦しいかなと。タイヤの状況もそうですし、ミラーを見ている限りペースも良さそうに感じていました」
「オーバーテイクシステムの差で抜かれてしまいそうだというのも予想できましたので、最後の抵抗はしましたが、あれ以上無理する必要はなかったと思います。その部分も含め、自分のレース展開の作り方や、いろいろなリアクションがよかったかなと感じています」
■坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)予選:ポールポジション 決勝:3位
「結果としては充分です。今までができ過ぎだったと感じるほどです。スーパーフォーミュラはそこまで簡単に勝てるレースではありませんし、テストの段階でも、連勝できるほどパフォーマンスの差があるわけではないということは明白だったと思っています」
「ただ、これで新たに課題ができました。富士で自分がステップアップできるチャンスが生まれたとも思いますので、その意味では今日のレースはよかったと思います」
「また、すこし気温や路面温度が涼しくなったことで風向きが変わったのかなと感じていますので、その辺も含めて次の富士に向けてしっかりと準備していきたいなと思います」
──1時間ほどのスタートディレイが影響した?
「レース開始が1時間早ければ、何かが変わったかというとそうではないかなと思いますが、少なからず涼しくなると形勢が変わるというのは、なんとなく普段から感じていたことなので、今回は僕の風向きではなかったのかなと思います」
「レース展開についても、あまりうまく戦えていなかったと思います。『2番手にいるとこうなってしまうよな』という状況でしたし、岩佐選手を仕留められなかった時点で、敗北が決まったと感じました。勝負しに行った結果なので仕方ないですし、太田選手や岩田選手もクリーンにレースしてくれたので、観ている人にとっては楽しいレースができたのではないかなと思います」
■村岡潔チーム・プリンシパル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「レースは、大田選手の漢のレースという感じでしたね。皆さんも楽しんでもらったし、太田選手もチャンスをスパッと狙ってくれた、凄く男気のあるレースで楽しかったですね」
「昨日のレースの成績もありますが、今日はそこからしっかりとリカバーしてベストな結果を出すというのは、本当に素晴らしい成績だと思っています。HRCさんも含め、共産企業さんの皆さんにあの応援してもらって、NTTとドコモの皆さんのおかげで、我々勝てていますので、感謝しております」
──チームメイトの牧野任祐は9位となりました。
「そこは、うちのチームのまだまだ弱いところだと思います」
「本当はさらに牧野選手のリカバーができるはずでしたが、チームは太田選手の勝利に少し集中してしまったところがあったのかもしれませんし、情報共有などのコンビネーションが乱れて場面があったので、そこは牧野選手に申し訳ないと思っています」
「少し片手間になってしまった、というわけではないですが、その点は、我々はまだトップチームと言われるようなチームにはなり切れてないのかなと思いますね。これからは、安定して2台をコントロールできるようなチームになっていきたいなと思っています」
[オートスポーツweb 2025年07月20日]