オリバー・ソルベルグが涙の総合初優勝。チャンピオン3名を退けトヨタGR初陣で頂点に/WRCエストニア

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2025年07月20日 20:30  AUTOSPORT web

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3年ぶりのラリー1復帰戦でキャリア初優勝を果たしたオリバー・ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第8戦エストニア
 7月20日、エストニアで開催された2025年WRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・エストニア』はデイ4のSS18〜20が行われ、総合首位で競技最終日をを迎えたトヨタ・ガズー・レーシングWRT(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が優勝。記念すべきトップカテゴリー初勝利を飾った。


■雨ニモ負ケズ、最終日もステージウイン

 若きスウェーデン人が、約3年ぶりの復帰となった“最高峰ラリー1”の舞台で非凡な才能を見せつけ、総合優勝という最高のかたちで存在をアピールした。

 スバルなどで活躍した元WRC世界王者ペター・ソルベルグの息子で現在23歳のオリバーは、2022年末にヒョンデ・ワークスを放出されて以来、サポートカテゴリーのWRC2クラスを戦ってきた。今季2025年は『トヨタGRヤリス・ラリー2』をドライブしてすでに3勝をマーク。ランキング首位に立つなかで、高速グラベル(未舗装路)ラリーのエストニアではスポット参戦ながらTGR-WRTからラリー1復帰を果たしていた。

 ラリー初日のスーパーSSを7番手で終えたあと、ソルベルグは翌日のSS2でいきなりトップタイムを記録して総合首位に浮上すると、SS4で早くもキャリア2度目のステージウインを飾り、午後にはみたびの最速タイムで後続に12.4秒のギャップを築く。

 出走順の優位性がなくなる土曜のデイ3でも勢いは止まらず、オープニングのSS9から3連続ベストをマーク。午後も安定した走りを続け、2番手につけるオイット・タナック(ヒョンデi20 Nラリー1)とのタイム差を21.1秒とした。

 迎えた最終日は雨の影響で路面がウエットに。GRヤリス・ラリー1での経験が少なく、ウエットでは初走行ということもあり彼自身も不安視していた部分だが、蓋を開けてみれば今朝のSS18は全体ベスト。雨上がりのSS19も制したソルベルグは、SS19の再走ステージで“パワーステージ”に設定された最終SS20を3番手タイムで走り切り、キャリア初となるWRC最高峰クラス初優勝を達成した。また、日曜のみの成績でボーナスポイントを付与する“スーパーサンデー”でも1位となり5ポイントを追加で獲得している。

 親子ニ代でのWRC優勝は、ハリとカッレのロバンペラ父子に続く2例目だ。


■ドライバーズランキングに動きあり

 前日のデイ3で、SS9からSS14にわたってステージごとに順位を入れ替える激しい2番手争いを繰り広げたタナックと僚友ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は、今朝のSS18で現王者がジャンプスタート(フライング)を犯し10秒のタイムペナルティを受けあと、両者のタイム差が18.6秒に開いたため事実上、勝負が決した。母国エストニアでの勝利を目指したタナックが2位、ヌービルが3位で続く結果となっている。

 ヌービルがペナルティ受けたため、前との差が縮まったカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)だったが、ライバルをキャッチするまでには至らず4位でのフィニッシュに。トップ5の最後はSS18のジャンプでマシンのフロントにダメージを負いながらも順位を守りきったアドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1)が入った。

 選手権リーダーのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)はSS19で勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)を逆転し、そのまま6位でフィニッシュ。7位にサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が続き、8位以下はMスポーツ勢の3名、マルティン・セスクス、ジョシュ・マッカーリーン、グレゴワール・ミュンスター(いずれもフォード・プーマ・ラリー1)が並んだ。なお、勝田はエンジントラブルのため最終ステージを前に無念のリタイアとなっている。

 今大会の結果、総合2位の17ポイントとスーパーサンデー3位の3ポイント、さらにパワーステージ2番手の4ポイントを加え、都合24ポイントを獲得したタナックが累計ポイントを『162』とし、1ポイント差でエバンスを逆転。ドライバーズランキングでトップに立った。同3位はエストニアを欠場したトヨタGRのセバスチャン・オジエ(141ポイント)だ。

 WRC2クラスではエストニア出身のロベルト・ヴィルヴェス(シュコダ・ファビアRSラリー2)が、SS1からSS20まで一度もトップを譲らずに母国優勝を達成した。また、WRC3クラスではTGR WRCチャレンジプログラム3期生の松下拓未(ルノー・クリオ・ラリー3)がクラス優勝を果たしている。

 2025年WRCの次戦は、7月31日から8月3日にかけて北欧で開催されるラリー・フィンランドだ。同国のユバスキュラに拠点を置くTGR-WRTにとっては“ホームラリー”となる。

https://twitter.com/TakamotoKatsuta/status/1946880924941004884

[オートスポーツweb 2025年07月20日]

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  • ヒュンダイの時代にはワンミスでポイント逃していたりしたので、最後のパワーステージは冷や冷やしながら見てましたね。来年はワークスドライバーで良いのでは?
    • イイネ!4
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