
為替レートの影響と価格が決まるタイミング
為替レートが海外旅行の料金に与える影響は小さくありません。例えば、1ドル100円のときに1000ドルのホテルに泊まれば10万円ですが、1ドル150円になれば15万円です。為替レートが関係するのは、外貨で支払う場合だけです。円で表示されている旅行代金は、予約時の金額がそのまま請求されるので、為替の影響を受けません。
・日本円決済:予約時に表示された円価格で確定。為替変動の影響なし
・外貨決済:支払い時の為替レートで日本円に換算されるため、予約から支払いまでの期間に円安が進むと出費が増えるリスクがある
なお、クレジットカードの場合、実際の為替レートが決まるのは決済の当日〜数日以内。カード会社の決済センターにデータが届いたタイミングのレートが適用されます。
個人手配(航空券・ホテル)の価格が決まるタイミングは?
個人で航空券やホテルを手配した場合は次のようになります。
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航空券
日本円決済の場合海外の航空会社でも、日本発着便なら基本的に円建て価格での予約になります。予約時の価格で確定します。
外貨決済の場合
海外発着便や、JALのような多通貨決済対応の航空会社で外貨を選んだ場合は、支払い時の為替レートが適用されます。
ホテル
日本円決済の場合エクスペディアやBooking.comなど日本語サイトでは円表示されており、事前オンライン決済なら予約時の円価格で確定します。
外貨決済・現地払いの場合
海外ホテルの公式Webサイトや、予約サイトで現地払いを選んだ場合は、チェックイン時などの支払い時点の為替レートが適用されます。
旅行代理店のパッケージツアーの価格が決まるタイミングは?
日本の旅行会社が用意しているパッケージツアーは円価格で決まっているので、予約時の金額がそのまま請求されます。
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なお、燃油サーチャージについてはパッケージ代金にあらかじめ込みの場合と、出発の1カ月前くらいに確定したものが請求される場合があります。
また、一部、現地のオプショナルツアーなど外貨表記されているものは、決済時のレートで算出されます。
賢い予約方法・支払い方法のヒント
海外旅行を予約する際には、以下のようなことを知っておくとよいでしょう。●ダイナミックプライシングを意識する
個人で手配する航空券やホテルの価格は、需要と供給のバランスで価格が決まるダイナミックプライシングを採用されているところが多く、これが為替以上に影響が大きいこともあります。基本的に直前よりは早めに予約がおすすめ。また、予定が許せばGWや夏休み、年末年始を避けたオフシーズンの方が安価です。
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銀行口座とひもづいて、そのまますぐに引き落とされるデビットカードに外貨預金を持っていればそのままの金額が引き落とされるので為替を気にする必要がありません。円高の際に口座を作っておくのも一手です。
●現地払いのときは、現地通貨払いで
海外でクレジットカードを使うとき、支払い画面で「現地通貨」か「日本円」を選べることがあります。日本円を選ぶと一見便利そうですが、実はお店側が決めたレートで計算されるため、割高になることも。
現地通貨を選べば、カード会社の通常レートが適用されるので、基本的にはこちらの方がお得です。迷ったら現地通貨を選んでおけば間違いありません。
為替レートは日々変動するので、お得な予約タイミングを見極めるのは難しいもの。旅行費用を抑えるなら、為替レートだけでなく、早期割引を活用したり、オフシーズンを狙ったりする方が確実かもしれません。
どうしても為替変動が心配な場合は、予約時に円建てで支払いを済ませてしまうのも選択肢の1つ。多少割高になる可能性はありますが、その後の為替変動を気にせず済むメリットがあります。自分が一番よいと思える支払い方法を選んでみてください。
古屋 江美子プロフィール
子連れ旅行やおでかけ、アウトドア、習い事、受験などをテーマにウェブ媒体を中心に執筆。子ども向け雑誌や新聞への取材協力・監修も多数。これまでに訪れた国は海外50カ国以上、子連れでは10カ国以上。All About 旅行ガイド。(文:古屋 江美子(ライター))