
アラフォーライターの初タイミー体験記が14.1万いいねを集め、X(旧Twitter)で大きな話題になっています。投稿者は筆者、少年Bです。そこで今回は投稿者である筆者自らが、タイミーで働いて感じたことをもう少し詳しくご説明しようと思います。
タイミーに興味を持ったきっかけ
筆者がタイミーに興味を持ったのは、ある取材がきっかけでした。
2社を経営する知人が、タイミーでさまざまな単発バイトをしていると聞いて、インタビュー記事を書きました。取材当時は大量の仕事に追われていたので、興味はありつつも、「自分とは違う世界の話」だと思っていました。
また、別の知人のライターが、タイミーで様々な企業に行っては体験記を書いていました。その記事もまた興味をそそられるものばかり。最近ちょっと体重が気になっていたこともあって、時間を作って運動するか……と思っていたんですが、「だったらタイミーで働けばお金ももらえるし一石二鳥じゃない?」と思ったんです。
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実際に働いてみた結果
アプリをダウンロードし、初めてのバイト先に選んだのはオープンしたばかりの某飲食チェーン店の厨房。店員さんに「タイミーから来ました」と一言伝えると、「STAFF ONLY」の扉が開きました。
そのまま制服に着替えると、胸には「サポーター」という名札をつけます。洗浄後の皿の整理を任されました。パートさんと思わしき方からざっくりと説明を受けると、いきなり労働が始まります。率直に言うと、説明は十分とは言いがたいレベルで、「やりながら覚えて!」という感じ。
それから4時間。初めて訪れた場所で、一切名前を呼ばれることもなく、何もわからないまま無我夢中で働きました。その感想がバズったツイートです。
期待されないから働きやすかった
筆者は、普段はフリーライターとして働いています。自分の名前が出るインタビュー記事や体験記事を書くことが多く、自分というキャラクターが記事内に出やすいタイプでもあります。
「自分らしい」仕事を求められることは非常にありがたい半面、「下手な記事を書くわけにはいかない…!」という気負いやプレッシャーもそれなりにあります。SNSやニュースサイトのコメント欄などでの反響も目に入るため、仕事の成果はリアルに自分に跳ね返ってきます。
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しかし、タイミーで訪れたお店の人たちは、誰も自分のことなんか知りません。もちろん、いきなり「この店の料理を作れ」なんて、無茶を言われることもありません。スキマバイトに任されるのは、いわば「誰でもできる仕事」です。
求められるのは、「時間内に言われた仕事を最低限こなすこと」だけ。名前も呼ばれず、期待もされない。普通のアルバイトなら面接で判断されるであろう、性格や経歴も関係ありません。仕事だけが求められ、「自分」という個人は見られていないようです。
ただ、常に「自分らしい」仕事を求められている筆者には、それが逆に心地よく感じられました。少し肩の荷を降ろせるというか、ただの社会の歯車のひとつになったような感覚があったんです。
「自分」から離れたいときにはいいかも
こういう話を見て、「なんだか人間扱いされていないような感じ」というネガティブな意見を持つ方もいると思います。たしかに、ちょっとしたディストピア感はあるな、と思います。
人は誰でも、「自分」という個を持っています。「何者かになりたい」と願う人だって、会社や学校内では役職や立場、キャラクターがありますし、それは自分とは切っても切り離せないものです。でも、時にはそれが重荷になったり、そこから逃げだしたくなることもありませんか? スキマバイトは「自分」を求められない、その場限りの後腐れのない関係とも言えます。
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常にこういう働き方をするとメンタル面できついかもしれませんが、「自分でいること」に疲れたときには「誰にも知られていない自分になる」ことができるのは、もしかしたら救いになることもあるかもしれません。
あとは純粋に運動にもなりますし、いただいたリプライに「大人のキッザニア」というコメントがありましたが、色々な仕事を体験できるという楽しみ方もありますよね。
もちろんスキマバイトだって職場によっても差はあるでしょうし、「名前を呼ばれるようになってからが本番」なんてコメントもいただきました。筆者にとっても、始めたばかりのスキマバイトの世界。次はどんな仕事をしてみようかな……なんて、タイミーのアプリを見ながら考えています。
(まいどなニュース特約・少年B)