西成の既存ホテルも爽やかになって行く「ビジネスホテル加賀」【はんつ遠藤の大阪・西成C級ホテル探検(23)】

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2025年07月21日 17:40  TRAICY

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毎月、大阪に仕事で向かい、西成に泊っていると外国人観光客が目覚ましく増加している事を目の当たりにする。日本の物価安、円安の効果もあるのだろうが、コロナ禍以前と比較しても数多い感がある。実際、日本政府観光局(JNTO)によると、4月の訪日外客数は3,908,900人で、前年同月比では28.5%増となり、過去最高であった1月の3,781,629人を上回り単月過去最高を記録し、単月として初めて390万人を突破したそうだ。

だが、大阪メトロ動物園前駅のある表通りには多いものの、特に旧あいりん総合センターの南側に入れば、急激に少なくなり、相変わらず日雇い労働者風や生活保護受給者と思われる方々が生活をしている。とは言え、従前に比べれば爽やかだ。午前中から道路の片隅に座り込んで缶のアルコール飲料を吞んでいる年配者も見受けられるが、押し並べて静かなオーラを醸し出している。

今回の宿は、そんな地域にある「ビジネスホテル加賀」。

キャンセル料も2日前から(2日前は50%、前日や当日、連絡なしのキャンセルは100%)だし、そもそもチェックインが午後10時までと、この類のホテルにしては遅めなのも重宝する。

自分はセゾンローズゴールド・アメリカン・エキスプレス・カードのプライオリティパスを所有しているので、伊丹空港の大阪エアポートワイナリーで料理&ワインが1時間呑み放題。空港着は午後6時10分だったが、余裕で満喫でき、向かった。

ホテルに到着したのは午後9時すぎだった。館内は土足厳禁なので、玄関でスリッパに履き替え。靴は各自で部屋まで持って行くシステム。正面玄関は午後10時にクローズするが、隣の鉄扉から24時間出入りOK。

フロントでキーを受け取り、エレベーターで指定された部屋のある5階へと向かった。廊下は薄暗いが清潔感があった。

部屋は和室の三畳一間。もちろんバストイレは共同。今回は2,800円(税込)だが、数週間前に予約すれば2,185円からあるようだ。禁煙タイプと喫煙タイプがあり、自分は煙草を吸わないが安かったので喫煙タイプにした。それでも特に煙草臭い感じは今回は無かった。

部屋には独立型のエアコンも、テレビも、冷蔵庫もあった。

ハンガーは2つしか無かった。

注意すべき点はアメニティが一切無い点(販売あり)。歯ブラシはおろか、フェイスタオルすら無いので、自分は持参した。

さて、恒例の館内探検と行こう。

ホテルにはエレベーターの他に内階段と外階段があった。

自分は旅先でも私生活でも一度も火事に遭遇した事は無いが、確かに有事の際を想定したチェックは必要だと感じた。知り合いはホテルに着いたら真っ先に非常階段などをチェックすると言っていた。彼の言う事が正しい。

各階には流し台とトイレがあった。流し台のところにはIHコンロも設置されていたので、ちょっとした料理は出来そう。

何より驚いたのは、古くからの西成ホテルだがウォシュレット付き洋式トイレもあった点。実はコロナ禍以前に一度宿泊した事がある。その時は和式しか無かった。館内全体は古さが目立つが、それでも少しずつリノベーションを繰り返して現代にマッチするようにと思慮している事が伺えた。LINE友達まで募集していた!

1階へと戻ればロビーにはテーブル&チェアが備え付けてあり、団らんも出来るスペースがあった。

自動販売機、電子レンジ、ウォーターサーバーまで。冷水の他にお湯も出るのでカップ麺なども大丈夫そう。

さらに奥へと進めば洗濯機、乾燥機も備わっていた。コインランドリーは午前8時から午後9時まで。

大浴場(男性専用、女性は無し)は午後3時から9時までで終了していたので、シャワールームを覗けば、シャンプー&ボディソープも備え付けられていて、一安心だ。

清潔感もあり、十分。シャワールームの利用時間は日〜木曜が午前8時から午後10時まで、金・土曜が午前8時〜午前2時半まで。この時点で既に午後10時近かったので、シャワーは朝に利用する事にして部屋に戻り、おとなしく眠りについた。

翌朝も天気が良く、爽やかな空気が流れていた。シャワーを浴びた後に大浴場を見学だけさせていただけば、ちょっとした脱衣所の奥に浴場があった。「大浴場」という表現には違和感があったが、それでも想像より広めの浴槽だ。水も抜かれていて、毎日掃除をなさっている事が伺えた。

チェックアウトは午前10時まで。午前8時40分ごろ部屋を出た。キーはかけずに退室するシステム。

廊下にはダストボックスが設置され、整頓されていた。

各階にはバルコニーもあるようで、喫煙所を兼ねていた。これまた想像よりも広めのバルコニーでちょっと驚いた。

フロントにはまだ誰もおらず、キーを返却ボックスに入れてセルフチェックアウトとなった。通りには相変わらず生活者が歩いていたり、座り込んだりしていたが、静かだった。表通りに出れば旧あいりん地区センターが封鎖されていた。外国人観光客と思われる人たちが、たくさん歩いていた。時代の流れを感じた。

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