<巨人6−5阪神>◇21日◇東京ドーム
阪神大山悠輔内野手(30)が通算1000安打を達成した。1−0で迎えた3回1死。3ボールから井上の直球を狙い打ち。狭い三遊間を、はかったように鋭くぶち抜き、小幡の2打席連続弾を呼び込んだ。大台到達に満足せず、3−0で迎えた5回には1カ月半ぶりの5号2ランを左翼席に運ぶ1001安打で、節目を自ら祝った。
記録がアナウンスされると東京ドームのG党からも歓声が沸き、巨人阿部監督も拍手してくれた。記念ボードを掲げ、観客席に何度も頭を下げた。昨オフ、FA権を行使。大争奪戦に発展し、巨人移籍と迷った末に残留した。今季、その巨人戦の打率はカード別断トツの3割6分6厘。チームも13勝5敗と圧倒。あらためて存在の大きさを証明している。
白鴎大から16年ドラフト1位で入団して9年目。1年目から大きなケガなく、数字を積み上げてきた。成績には表れにくい全力疾走がモットー。ただ、大きな体で毎日、全力プレーを続けるのは想像を絶する重労働だ。
体のケアで大事にしていることは「気持ちです」と真顔で言う。気合でケガを治す、というわけではない。「『病は気から』という言葉が昔からある。気持ちができていないと、隙や油断ができる。気が回らなくなる。体のいろいろな所の感じ方、感覚を敏感にしないといけない。毎日、リセットすることで体をチェックしています。若いころと同じようにはいかないので、より準備が大事になってきます」。自分との“会話”を繰り返し、日々のコンディションを保っている。
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2安打2打点と奮闘した記念日は、ホロ苦い記憶にもなった。7回、本塁への悪送球で傷口を広げ、5失点の原因をつくった。「前半戦終わりの大事な試合で、全て変えてしまった。チームにも(伊藤)将司にもすごく申し訳ない。今日はそのエラーがすべて」。個人のことはどうでもいい。勝つことがすべて。ぎゅっと口元を引き締めた背番号3。身も心も緩めることなく、シーズン終了まで役割を全うするだけだ。【柏原誠】
▼通算1000安打=大山(阪神) 21日の巨人18回戦(東京ドーム)の3回、井上から左前打を放って達成。プロ野球324人目。初安打は17年7月1日のヤクルト11回戦(甲子園)で原樹から。
▽阪神田中内野守備走塁コーチ(7回無死一、三塁での大山の本塁悪送球に)「(打球は)緩い当たりだったし、強いのがきたらゲッツーも考えて。全然(大山の)判断通り。もうちょっといい球を投げていたら、普通にアウトを取れていた。そこだけです」
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