夏祭り、花火、お盆……。夏休みは、行事を活かした「行事育」が子どもの成長を促すために最適な理由

1

2025年07月21日 20:50  All About

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

All About

「行事育」とは、四季折々の日本の行事を通じて子どもに文化と愛情を伝える子育て術。提唱者である和文化研究家・三浦康子さんの著書『かしこい子に育つ 季節の遊び』より、夏の主な伝統行事と、夏休みに実践したい行事育のアイデアを紹介します。※サムネイル画像:PIXTA
七夕、ひな祭り、お花見など、日本には四季折々の行事や風物詩があります。行事を通じて文化と愛情を伝える「行事育」は、「根っこになる・絆になる・心豊かになる・賢くなる・元気になる」という五つの力により子どもの成長を促します。

また、毎年行事が訪れるたびに愛情にあふれた思い出がよみがえる「思い出ボタン」の効果により、子どもの人生を豊かに彩ってくれるのです。

『かしこい子に育つ季節の遊び 楽しい体験が心を豊かにする12か月の行事育』(三浦康子著/青春出版社)では、和文化研究家・三浦康子さんが「行事育」の大切さと、懐かしい季節の遊びをたっぷりと紹介しています。

今回は本書から一部を抜粋し、夏の主な行事と、夏休みに実践したい行事育のアイデアを紹介します。

暑中見舞い (梅雨明け〜立秋の前日)

「ぼくが送った暑中見舞いを、じいじとばあばはみんなに見せびらかすから、やんなっちゃうよ」と苦笑する息子。祖父母にとって、これほど効く栄養剤はないように思います。  

暑中見舞いを家族宛てに内緒で送ってもいいですし、友達宛て、自分宛てに送るのもおすすめです。

立秋以降は「残暑見舞い」にすればOK。手紙を出すおもしろさと、もらった人が喜んでくれる嬉しさを体験させてあげてください。

手作り暑中見舞いのアイデア

・入道雲を写真に撮って印刷し、人や動物に見立ててお絵描きする
・育てた朝顔やひまわりの写真を絵葉書にする
・オクラやレンコン、トウモロコシなどで野菜スタンプを押す
・自由にお絵描き
・ちぎり絵
・手形や足形を活かして絵を描く

夏祭り

山車の上で太鼓を叩く同級生はヒーローに見え、綿あめ屋のおにいちゃんは魔法使い。水風船が割れたときは泣いたけど、焼きそばを食べたら泣き止んだっけ。

毎年、祖母が着せてくれる浴衣と握らせてくれた小銭の嬉しさ、夜の境内の高揚感、迷子になってしまいそうで絶対に離さなかった手のぬくもり……子どもの頃の夏祭りの思い出には、大人とは異なる視点と感情があります。

日本にはさまざまなお祭りがありますが、地元の祭りが原風景になります。手をつないで、毎年お出かけください。

花火

「花火をやろう」と言えばとんで来る子どもたち。我が家ではお盆の花火が定番で、手持ち花火に噴出花火、最後は線香花火で締めくくるのがお決まりのコースです。終わってべそをかく子をなだめながら、大人たちは過ぎ行く夏を感じます。

線香花火の楽しみ

江戸時代にできた当初は、香炉に立てて観賞していたので、お線香のようだと名付けられました。線香花火が燃える様子は、5つの草花にたとえられています。それらを想像しながら観賞してみてください。

1. 蕾
2. 牡丹
3. 松葉
4. 柳
5. 散り菊

夜空に咲く花火は夏の醍醐味。花火大会の始まりは江戸時代で、大川(現在の隅田川)の川開きで、前年の大飢饉とコレラの犠牲者に対する慰霊と、邪気を払って無病息災を祈るものでした。おなじみの「玉屋」「鍵屋」の掛け声は、ここで活躍した二大花火師の屋号です。

これにならって各地で花火大会をするようになり、夏の花火が定着しました。

お盆(8月13日〜16日)

子どもは、お盆の精霊馬作りに興味津々。きゅうりとなすに割り箸を刺して馬と牛の脚にしますが、バランスをとっているうちに短足になってしまって大笑い。失敗したきゅうりとなすがその日の食卓に登場し、また大笑いです。

精霊馬

精霊馬は、ご先祖様があの世とこの世を行き来するための乗り物です。「ご先祖様はきゅうりの馬に乗り、なすの牛に荷物を積む」とも、「来るときはきゅうりの馬で急ぎ、帰るときはなすの牛でゆっくり戻る」ともいわれています。そう思うと、なんだか嬉しくなりますね。

盆踊り

盆踊りは年に一度の野外ディスコ!? お盆に迎えた霊をなぐさめ、あの世へと送る行事で、この世にいる人にとっては、生きる喜びを感じたり、災いを払ったりする意味があります。

踊り方は見ているうちに覚えられるので、子どもと一緒に楽しんでみてください。盆踊りの振り付けは浴衣姿が基本なので、浴衣を着るとよく映えます。


三浦康子 プロフィール

和文化研究家、ライフコーディネーター。古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などでレクチャーしており、行事を子育てに活かす「行事育」提唱者としても注目されている。All About「暮らしの歳時記」、キッズgoo「こども歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭をとるなど活動は多岐にわたる。著書に『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、監修書に『おせち』(福音館書店)ほか多数。
(文:三浦 康子(暮らしの歳時記ガイド))

このニュースに関するつぶやき

  • ところがラジオ体操や花火煩い、夏祭りも縮小させる新住民勢力が日本の原風景を壊しまくり、歌の夏祭りの、君がいた夏も昭和末期の曲になってるし佐世保では海で今も花火あるだろうけど他は
    • イイネ!5
    • コメント 1件

つぶやき一覧へ(1件)

アクセス数ランキング

一覧へ

話題数ランキング

一覧へ

前日のランキングへ

ニュース設定