88時間かけて笹からカゴを作る動画がYouTubeで話題に。自然素材だけでカゴを作り上げていく根気と技術に注目が集まり、動画は記事執筆現在までに8万回以上再生されています。
動画を公開したのは、YouTubeチャンネル「週末縄文人」さん。「都会のサラリーマンが、週末をつかってゼロから文明を築くことができるか検証していく」をコンセプトに、自然にあるもので縄文時代に使われていた道具を作る動画などを公開しています。
また過去には、縄文時代の服を作るため、まずは植物から糸をつむいでいくという動画が話題となりました。
以前にツルから作った編みカゴは重く小さなものを入れるには不向きだったため、今回は軽くて細かい編み目の新たなカゴを笹を使って制作することにした週末縄文人さん。なお、笹のカゴは縄文時代にもあったそう。一方で、現在よく使われている竹は外来種で、縄文時代の日本には存在していなかったとのことです。
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まずは、約1時間かけて30本の笹を採取。そこから、ヒゴにする作業に取り掛かります。
皮をむき、節を削って滑らかにしながら割っていきますが、ここで作業に難航。そこで石を削って自作の「笹割り石器」を用意し、滑らかに作業ができるように。割られた笹の厚さは4ミリから5ミリほどで編むにはまだ厚く、さらに薄く加工する必要がありました。
そこで、加工中の笹を水に浸けて節を柔らかくしてから剥がすことに。これでようやく1ミリ以下の厚みとなりました。全ての笹を均一に整え角を削り、節のふくらみを落とすことでヒゴが完成しました。
ついに、ヒゴを使って編む作業に入ります。最初は、網代編みで底面を丁寧に編み進めます。しかし、立ち上げ作業では「どう固定するか」に苦戦。抱えて編む方法では崩れてしまうため、考えた末、寝かせたまま周囲をまきながら編む手法に変更します。強く締めながら編むことで、自然に立ち上がらせることに成功しました。
上部にくびれをつける段階に入ると、編み方を変更。一度すぼめた後再び広げる必要がありましたが、ここでも困難を極めます。そこで、週末縄文人さんは土器を編み途中のカゴの中に挿し、型として固定するという方法を考案。
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これが功を奏して、理想の形に編み上げることに成功しました。最後は隙間を埋め、端をねじって処理しながら縁を巻き込むように整えます。そしてついに……作業開始から88時間で美しい編みカゴが完成しました……!!
完成したカゴは非常に軽くて丈夫な仕上がりに。腰にヒモで固定すれば両手が自由に使え、山菜であるコシアブラの収穫も効率的に行えるようになりました。
途方もない労力をかけて88時間でカゴを作るというこの動画には、「丹精こめて作っておられる」「とても根気強いですね」「マジですごい。技術力に脱帽です」という声や「本当にゼロから作ることの大変さを垣間見ました」「道具のありがたさが分かる動画でした」という声が寄せられていました。
週末縄文人さんはYouTubeの他、X(@wkend_jomonjin)やInstagram(@jo_shumatsujomonzin/@mon_shumatsujomonjin)からも情報を発信しています。
動画提供:YouTubeチャンネル「週末縄文人」さん(@shumatsujomonjin)さん
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