
鹿児島県指宿市で、空き家の床下に入り込んでしまい4〜5日間も自力で脱出できなかった生後約2ヶ月の子猫「ジムニーちゃん」が無事に保護された。母猫も近くで周囲をうろついていたが、子猫は餌や水も十分に摂れていない危険な状況だった。
保護活動を行ったのは、指宿市で保護猫活動やカフェ運営をする「はちわれ農園」さん(@hachiwarenouen2)。同園は60〜70頭の猫を常時保護し、譲渡活動も積極的に進めている。
近所の住民の通報で発覚、床下の隙間から入り込む
子猫の鳴き声に気付いた近所の住民が、外に出られずにいることを心配して保護団体に連絡。調査の結果、空き家の床下の通気口の一部が動く造りになっており、そこから入り込んだと推測されている。発見時は子猫は1キロに満たない小さな体で、周囲には水や食べ物は何もない状況だった。
多くの協力者が尽力、特にガス会社さんの尽力が光る
空き家の所有者を探すのは容易ではなかったが、ガス会社の方が空き家の管理者を特定し、床下の捜索にも家族で駆けつけるなど積極的に協力。保護団体も地域住民、市役所、消防など関係各所と連携し、救出活動に全力を尽くした。
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保護後は順調に人慣れ、「シャー」から甘えん坊へ
保護されたジムニーちゃんは、最初は威嚇していたものの、わずか1週間足らずで甘えん坊に変身。ケージの扉を開けると自ら近づき、なでられてゴロゴロと喉を鳴らす姿は周囲の心を癒している。人は大好きだが他の猫には無関心で、ボールなどのおもちゃで一人遊びを楽しんでいる。
地域の空き家問題と野良猫対策の課題も浮き彫りに
今回のケースを通じて、地域の空き家管理の難しさや、野良猫問題の根深さも浮き彫りになった。自治会長も所有者情報を把握しておらず、登記情報の変更もされていなかったため、子猫の命はまさに「奇跡的」に救われたと言っていい。
保護団体代表は「地方には空き家が多く、同様の事故が今後起こらないとは言い切れません。野良猫の数を少しずつでも減らし、悲しい命を出さない社会を目指したい」と話す。
指宿市の地域住民や保護団体が連携し、命の危機に瀕した子猫を救い出した心温まるニュース。子猫の新しい家族も探しており、さらなる支援の輪が広がることが期待されている。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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