画像提供:マイナビニュースJR東日本は22日、山形新幹線E8系の車両故障に関する調査結果と対策、今後の運転計画について発表した。山形新幹線は8月1日以降、通常ダイヤで運転するとのこと。
E8系の車両故障は6月17日に発生。走行中だった回送列車(上野発盛岡行)に加え、同日にE8系の車両故障が3件起きていた。これら4編成において、計6台の補助電源装置で故障が確認されたという。その後、6月30日にも車両基地に留置中だったE8系1編成で補助電源装置1台の故障が確認されている。原因が判明するまでの間、JR東日本は新幹線区間・在来線区間ともにE8系の単独運転をすべて取りやめており、山形新幹線は3往復の直通列車を除き、福島駅で山形・新庄方面への折返し運転を実施している。
今回の調査で、補助電源装置内の電力を変換する半導体素子と、それを制御する基板(制御基板)を組み合わせて調査を進めたところ、特定の時期以降に製造された半導体素子において、半導体素子を制御する電流が従来の補助電源装置より高くなることが確認された。これにより、制御基板に想定よりも高い電流が流れたことに加え、周囲の温度上昇も影響したことで、制御基板内の制御回路にある保護素子が誤動作を起こし、半導体素子の損傷に至ることを確認。E8系第6編成以前の編成およびE6系に搭載されている半導体素子と制御基板の組み合わせで、この現象が発生していないことも確認されたという。
この調査結果を受けて、E8系の補助電源装置において、制御基板の制御回路が半導体素子を制御する電流の違いや回路の周囲の温度上昇に対しても誤動作を起こさないように、制御回路の保護素子の設定を見直すとのこと。この対策を講じた車両については、健全性を確認した上で順次、営業運転に投入するとしている。
今後は、8月1日からE8系による単独運転を順次再開し、山形新幹線の定期列車(毎日運転する列車)を通常ダイヤで運転する。ただし、8月1日に限り、一部の定期列車に運休が発生する。8月1〜8日の臨時列車に関して、あらかじめ案内している運行よりも本数を減らすとのこと。8月9日以降の臨時列車について、運転計画は7月28日頃に案内する。(木下健児)