関西電力の幹部と面談する福井県美浜町の戸嶋秀樹町長(左)=22日午後 関西電力美浜原発(福井県美浜町)での原発新増設に向けた調査再開について、町役場で同社幹部から報告を受けた戸嶋秀樹町長は22日、「国が示す新たな原子力政策の方向性に沿ったもので、エネルギーの安定供給や経済成長、脱炭素化に資する将来を見据えたものだ」と評価した。地元関係者からは期待する声が上がる一方、方針を疑問視する意見も聞かれた。
調査再開に地元の事前了解は必須ではないが、戸嶋町長は立地地域の理解や地域振興、安全性の確保が不可欠とする認識を示した。その上で「これらの観点で状況を把握した上で、改めてお答えさせていただく」と述べた。
町長への報告を終えた関電幹部は、報道陣に対し、今後について「町長や事務方と調整しながら詰めていく」と答えた。
一方、河本猛町議(47)は「使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の最終処分場の行き先が明確でないまま、調査に進んで良いのか疑問だ」と指摘。「原子力政策は責任の所在が不明確になりがち。新たに原発を建てるのはいかがなものか」と話した。