立憲民主党の常任幹事会であいさつする野田佳彦代表(中央)=22日午後、国会内 参院選の議席確定から一夜明けた22日、与党を過半数割れに追い込んだ野党各党が動きを本格化させた。立憲民主党の野田佳彦代表は、野党7党が共通して掲げるガソリン税の暫定税率廃止に向け、野党内で調整に入る方針を表明。国民民主党の玉木雄一郎代表は、8月1日召集の臨時国会で関連法案の成立を目指す考えを明らかにした。
野田氏は党会合で、石破政権について「国民に信任されていない政権だ。厳しく対峙(たいじ)する」と改めて強調。「野党の連携が極めて大事な局面になってきた」として、暫定税率廃止法案の成立に向け、野党各党に議論を呼び掛けるよう重徳和彦政調会長に指示した。
参院選で議席が伸び悩んだことに関しては「無党派層に対する訴求力がなかった」と課題を指摘。今後、両院議員懇談会を開くなどして党内の意見を聴取し、総括すると説明した。
参政党を含む野党7党は6月、暫定税率廃止法案を提出し、与党少数の衆院で可決。参院では採決に持ち込めず、法案は廃案になったが、参院での与党過半数割れにより、成立させられる可能性が出てきた。
玉木氏は22日の記者会見で「公明党は賛成してくれるのではないか。これだけの民意があって反対するのは難しい」と公明を挑発。TBS番組では、8月1日召集の臨時国会で法案を審議すべきだと主張した。日本維新の会の吉村洋文代表も、早期に提出すべきだと記者団に語った。
これを受け、立民の笠浩史国対委員長は22日の自民党との国対委員長会談で、暫定税率廃止法案を近く提出する可能性があると伝えた。
一方、野田、玉木両氏は22日、支持団体である連合の本部をそれぞれ訪れ、芳野友子会長に参院選の結果を報告。野田氏は秋の臨時国会までに「野党連携を深めたい」と伝えた。
会談後、玉木氏は記者団に「手取り増につながる法案に、与野党を超えた賛同を得ていきたい」と語り、与党との協調も排除しない姿勢を示した。これに対し、芳野氏は記者会見で、立民、国民民主両党の自公政権への参加について「あり得ない」とくぎを刺し、「基本的には野党間の連携で政策を進めてほしい」と強調した。

記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表=22日午前、国会内