「そんな人だったなんて……」参院選がらみの議論で気付いた彼氏・夫の「致命的な欠点」

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2025年07月22日 22:10  All About

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今回の参院選では、親しい人と議論をした人たちも多かったようだ。だが、中には関係にヒビが入った人もいるようで……。彼との関係が「危険水域に入った」33歳女性と、夫の態度に「それは違う」と思ったという46歳女性に話を聞いた。※サムネイル画像:PIXTA
今回の参院選、親しい友人や恋人同士、夫婦、家族の中でいろいろな会話や議論が交わされたようだ。そこで関係性に新たな「問題点」が浮上したと言う人たちに話を聞いてみた。

彼との仲が終わりそう

「今回の選挙を機に、彼との関係が危険水域に入っています。きっかけは彼がとある政党にはまったこと。ここ数カ月のデートの話題は、その政党のことばかり。いかに素晴らしいかを語る彼の顔は、今まで2年付き合ってきて初めて見るような生気に満ちていました」

苦笑しながらそういうマミさん(33歳)。彼女も彼も、「どこにでもいる普通の会社員」だと言う。だが、彼は中小企業勤務で、収入が思うように上がらない。

「いつもこんなに働いているのにと愚痴を言ってた。そんな彼の不満に、その政党の党首の言葉が刺さったんでしょうね」

二人は同じプロ野球チームを応援していたから、この時期は球場デートが多かった。だが彼がその政党推しになったため、デートはもっぱら演説会や党員の集会となった。

「私は党員じゃないし、正直言って、その政党を推す気にはなれなかった。時間の無駄だなと思うようになって、政党がらみのデートはしたくない、それなら私はジムにでも行くわと言ったら、『きみのそういうところがダメなんだ。視野が狭い、僕たちは世のため人のために闘っているんだ』って。

きっと楽しいんだろうなと思いました。同じ思想信条を持つと思い込んでいる人たちが集まって妙な一体感があって……。でもそれ、本当にあなたの思想信条なんですかと言いたいことも多々ありましたけど」

選挙直前に彼からメッセージが

それ以降、彼とのデートはほとんどしていないのだが、選挙直前になって彼からメッセージが来た。

「選挙は選挙、僕らの関係は変わらないよね」

それを見て、マミさんは自分の心が冷えているのを感じた。彼自身も、終わりが近づいているのを感じつつ、そんなメッセージを送ってきているのではないかという気がしている。

「まあ、選挙が終わって彼の気持ちが落ち着いたら、ゆっくり考えようとは思いますが、それでもわりと安易に人の考えに誘導されやすい人であること、信じたら他の意見は聞かないことなどは判明したわけで……。そういう人でいいかどうか、私自身も考えてみないといけないなとは思っています」

どこまでも冷静なマミさん。彼が彼女のように冷静になれるときが来るのだろうか。

夫婦仲が微妙に

「夫とは時々政治がらみの話はしていましたが、世間話の領域を出なかった。今回は子どもたちが興味をもったこともあって、かなり家族でいろいろ話しましたね」

アカネさん(46歳)には4歳年上の夫との間に、高校生と中学生の子がいる。今回は二人とも政治に関して前のめりにいろいろ質問をしてきた。

「上の娘は来年18歳になりますから投票権が生じる。今から勉強しておきたいと。私は、偏った意識を植えつけたくないから、客観的に論理的に考えることを勧めました。娘は憲法などの本を図書館で借りてきて読んでいました。まずはここからだよねって。なかなかいいセンスしてるわと思いましたが」

この際だからオープンに話そうと、選挙公報を見ながら子どもたちも交えて、政党の比較や自分たちなりの分析をするようになった。そのあたりから夫の態度が引き気味だとは感じていた。

「結局、お父さんはどこがいいと思うという話になったとき、夫は『いや、それは言えない。どこに投票するかとかどこがいいと思うかは個人の問題だから』と。ここまでみんなで話してきて、それはないでしょと思いました。そういう姿勢が、日本の政治を衰退させてきたんじゃないかと私が言うと、『個人の心に踏み込むな』って。

なんか違うと思いました。私は職場でも今回、けっこう政治がらみの話はしていたけど、みんな普通に話していましたよ。政治の話を普通にできない社会がおかしいだろと思います」

一般論以外は語ろうとしない夫

夫にそう言っても、夫は頑なに一般論以外は語ろうとしなかった。それでは子どもたちの信頼は得られないんじゃないのと言ったら怒りだしてしまった。

「別に考え方が私と違っていてもかまわないんです。違いを話せばいい。でも夫はそれ以前に拒絶した。そのことがちょっとひっかかっています。肝心なときに肝心なことを話し合えない人なんだと思ったから」

夫は期日前投票をしてきたらしいが、投票してきたという話もしなかった。政治と宗教の話はすべきではないと言われるが、それは親しくない人との話題の選び方の問題。長年、家族として暮らしてきて、それでも生活や人生に直結する政治の話ができないなんて、こんな寂しいことはないとアカネさんはつぶやいた。

「ツッコんで話をして、たとえ議論になってもかまわない。家族としての結びつきはそこだけじゃないからと私は思っていたんですけどね」

そう言いながら、アカネさんの表情は曇っていった。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

このニュースに関するつぶやき

  • う〜ん・・・2つの例自分の価値観押し付けすぎ。1つ目のは彼氏の劣等感。2つ目は妻が押しつけがましい。夫が拒絶というけど逆に妻が夫を否定してると思う
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