真夏の草むらに烏骨鶏8羽、誰が置きざりに? 保護した女性が伝えたいこと

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2025年07月23日 12:00  まいどなニュース

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桃丸さんはすぐにSNSで呼びかけ、引き取り先を探した(桃丸さん提供)

埼玉県北部の人目につかない場所で、8羽もの烏骨鶏が置き去りにされていたことが分かった。

【写真】草むらに置き去りにされていた8匹の烏骨鶏

発見したのは、大事故による胸髄損傷を負いながらも、動物保護活動を続けるXユーザーの桃丸(@momomaruke)さんだ。桃丸さんはSNSでこう呼びかけた。

「命に責任持とう。飼うと決めたんだから最後まで面倒みようよ! 捨てることは犯罪です。見かけた方や知ってる方は警察に通報してください。こんなの許しちゃいけない」

人目のない場所に烏骨鶏8羽が…

桃丸さんが烏骨鶏を見つけたのは、7月8日の早朝6時半ごろ。場所は埼玉県北部の民家から離れた人目のない一角だった。この場所は普段から粗大ゴミなどが不法投棄されるような場所で、タヌキやアライグマなどの野生動物も多く、放置された子猫が捕食されてしまうこともあるという。

当日はすでに汗が流れ落ちるほどの猛暑。暑さに弱い烏骨鶏たちは、草むらに隠れるようにして身を寄せていた。「まだ大きな衰弱は見えませんでしたが、何羽かは足にけがをしていて心配でした」と桃丸さんは振り返る。

捕獲は素人にできるものではなかった

猫の保護には慣れている桃丸さんだが、鳥の捕獲は未経験。同じく現場にいた協力者と試みるも上手くいかず、警察に通報した。パトカーで駆けつけた警察官も「道具がない」と困っていたところに、偶然通りかかった地元の農家の人がケージを持参し、次々と捕まえてくれたという。

「逃げて遠くへ行ってしまった子もいて時間はかかりましたが、無事に全羽を確保できました」と話す。

警察の回答は「放鳥かもしれない」

桃丸さんは後日、生活安全課に連絡し「動物遺棄として捜査できないか」と相談したが、「遺棄とは言い切れない、放鳥の可能性もある」との返答だったという。「民家もなく、あの場所に烏骨鶏が8羽も自力で歩いてくるとは考えられない。それでも『放鳥かもしれない』と言われ、捜査する気はないんだと分かりました」と肩を落とす。

今は「ちきゅう農場」でのびのびと

警察からは「処分しかない」とも言われたが、桃丸さんはすぐにSNSで呼びかけ、引き取り先を探した。「そのままでは烏骨鶏たちは暑さにやられてしまう」と、近所の農家が一時預かりをしてくれ、涼しい場所で水と扇風機を用意してくれた。

その後、Xの拡散で同じ埼玉県内にある「ちきゅう農場」が引き取りを申し出てくれた。「ちきゅう農場」では烏骨鶏を放し飼いで大切に飼育しており、今回の8羽のための場所もすぐに整えてくれたという。桃丸さんは「丸投げにはしたくなかった」として、1年分の餌代を負担した。

「命を捨てる大人は恥ずかしい」

桃丸さんは言う。

「動物を捨てるのは犯罪です。でもここではまだ簡単に捨てられたり、川に流されたりする。飼うと決めたなら最期まで責任を持つ。それができないなら飼わないでほしい。動物にも感情があり、大切な命です」

偶然と人の善意がつながり、命がつながった今回のケース。しかし、地域には「簡単に命を捨てる」問題が今も残っている。桃丸さんのXでの呼びかけは、飼い主のモラルを問い、私たちに問いかけている。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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  • 沖縄なんか未だに闘鶏やそれに伴う品評会などでお眼鏡に叶わなかった鳥さんなんかが生きたままゴミ袋に入れて投げ捨てられてるのはヤクザ絡んでるから報道しない自由ですか?
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