0
2025年07月23日 16:10 ITmedia PC USER
ASUS JAPANの「ZenScreen MB169CK」は、15.6型のモバイルディスプレイだ。取り外し自在なスタンドが付属しており、つるしての設置などにも対応しているのが特徴で、実売2万円前後と格安ながら標準で3年(Amazon.co.jpでは4年)の保証が付属する。メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けする。
●着脱可能なスタンドで縦横どちらでの設置にも対応
まずは、基本仕様をざっと押さえておこう。画面サイズは15.6型で、解像度は1920×1080ピクセル、アスペクト比は16:9だ。アンチグレアのIPS液晶を採用しており、視野角は水平/垂直共に178度、輝度は最大250ニト、コントラスト比は800:1、応答速度は5ms(GTG時)、リフレッシュレートは60Hzとなっている。タッチ入力には非対応だ。
本製品の特徴は、着脱可能なスタンドにある。背面中央にある4分の1型ネジ穴に取り付ける仕組みになっており、縦/横どちらでの設置にも対応するのに加え、スタンド先端の穴を利用して、フックに掛けての設置にも対応する。このネジ穴を利用し、三脚などに取り付けることも可能だ。
|
|
ただし、このスタンドだが角度は変えられるものの、しっかりと角度を固定できず、あまり閉じすぎると不安定になるため、事実上は角度固定(70度)で使うことになるだろう。さらに構造上、後方にかなり突き出す関係で、設置時に奥行きをかなり取る。カフェなどの狭いテーブルでの設置は、難しい場合があるかもしれない。
接続方式はHDMIもしくはUSB Type-Cの2択だ。イヤフォンジャックは搭載しているものの、スピーカーは内蔵していない。本製品単体での音声出力は、あまり考えない方がよいだろう。
重量は実測で798gあった。付属の保護ケースは軽さを重視したタイプで、本体と合計で898gに抑えられているのは好印象だ。パッケージにはこの保護ケースの他にケーブル2種、スタンドを収納するためのポーチがセットになっている。
なお、スタンドは取り付けたまま持ち歩きたいところだが、保護ケースはかなりタイトな設計で入れにくいため、メーカーが推奨する通り、輸送時はスタンドを取り外して付属のポーチに入れた方がよい。せっかくのギミックが使い勝手の部分では足を引っ張っている格好で、少々もったいない。
ちなみに、こういった特徴は2024年に紹介した同社の「MB166CR」とほぼ同一だ。同製品は接続がUSB Type-Cのみだったが、そこにHDMI接続とイヤフォンジャックが追加されたのが本製品であると考えれば、おおむね正解といっていい。
|
|
●パススルー給電には非対応 OSDメニューの操作性は大幅に改善
では実際に使ってみよう。ポートは本体左側面に集中している一方で、OSDメニュー操作のボタンは正面に配置されており、右側面にはポート類やボタン類が何もない。そのため右側面を下にし、縦向きで使うのにも支障はない。
また付属のUSB Type-Cケーブルは、片方のコネクターがL字型になっているので、縦置きに設置した場合もケーブルが真上に突き出すことがなく、スッキリとした配線が行える。一般に、縦置きが可能なモバイルディスプレイは「縦に置ける」だけの製品と、ギミックまできちんと考慮した製品とがあるが、本製品は後者とみてよいだろう。
さらにスタンドの穴を使ってフック掛けを行う場合も、L字型コネクターを下向きになるよう挿せば、見た目が乱雑にならない。こういった設置回りや配線回りは、よく考えられている印象だ。
一方、2つのUSB Type-Cポートを用いてノートPCを逆充電するパススルー給電に対応しないのは、昨今のモバイルディスプレイと比べた場合にマイナスとなる。ASUS JAPANのモバイルディスプレイは本製品に限らずパススルー給電には非対応なので、少ないポート数で効率よく利用環境を整えたい場合は、不便に感じることがあるかもしれない。
|
|
ちなみに、実際に使ってみて気になったのは画面の暗さだ。正面から見た場合は特に問題がないのだが、斜め方向から見るとかなり暗く見える。複数のメンバーで周囲から画面をのぞき込むような使い方が多い場合は厳しいかもしれない。
OSDメニューは、正面左下のボタンを使って操作する。1度押すとメニュー表示の選択肢が表示され、もう1度押すとメインメニューが表示される。右に倒すと明るさ調整、上に倒すと表示モード変更、下に倒すとブルーライト軽減機能といった具合に、よく使うメニューを呼び出せる。
このボタンは決定ボタンや戻るボタンと一体化した構造だが、いわゆるジョイスティック構造になっており、使い勝手は極めてよい。従来モデルはこれらの操作性はイマイチで、製品の評価を落としていたが、本製品はボタンの構造およびメニューのデザインが刷新されており、操作性は大幅に改善された。プラス要因と言っていいだろう。
またユーティリティーの「ASUS DisplayWidget Center」を用いることによって、自動回転機能を利用できる(Windowsのみ)。さらにショートカット設定など、本体だけでは不可能ないくつかの設定が行えるが、このユーティリティーを用いなくとも基本機能はきちんと使えるので、インストールが必須というわけではない。
●実売2万円ちょっとながら3年または4年保証が付属
以上のように、モバイルディスプレイとしての性能や機能面でそれほど突出した部分はなく、一方でパススルー給電には非対応と省略されている機能もあるが、設置の自由度の高さは売りとなる。実売価格は2万円ちょっとで、セール時には1万円台となることもあるなど、リーズナブルさは際立っている。
前述のように既存モデル「MB166CR」とスタンドの構造などが似ているが、HDMI接続にも対応する上に、イヤフォンジャックも追加された。それでいて実売価格はほとんど変化がなく、さらに標準で3年、Amazon.co.jpでは4年保証が付属する点は魅力だ。斜め方向から見た時の画面の暗さと、パススルー給電に非対応であることを許容できるならば、候補に入れておくべき製品だろう。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。
リコール対象製品を探す方法(写真:ITmedia Mobile)16
リコール対象製品を探す方法(写真:ITmedia Mobile)16