7月20日に投開票が行われた第27回参議院選挙。午後8時に投票が締め切られると、テレビ各局は特番編成となり、長時間の生放送で白熱した選挙の模様を伝えた。
各局が総力を挙げて放送する選挙特番には、それぞれの番組の色や個性が反映されている。特に、当選した議員や各政党の党首などに中継でインタビューをすることもあるキャスターは番組の顔であり、各局のニュース番組の経験が豊富なMCや、政治に詳しい著名人が務めることが多い。
そこで本誌はWEBアンケートツール「Freeasy」にて20〜60代の男女500人を対象に、「参院選選挙特番で評価を上げたキャスター」についてアンケート調査を実施した。
まず、第3位に選ばれたのは有働由美子(56)。
20日の午後10時45分から生放送された『有働Times』(テレビ朝日系)でMCを務めた有働。参政党の神谷宗幣代表(47)に対し、「核以外の抑止力とはなにか。核を持った国々に囲まれている中で」という質問をぶつける場面があった。
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神谷氏は「将来的に『バリア』のようなものが作られるかもしれないし、『電磁波』のようなもので、敵の機能を麻痺させるようなパルス攻撃もあるかもしれません。それはまだ実験中だと思いますが。とにかく“参政党は核を持つ”と言わせたいのかもしれませんが、我々は言いません。そういう質問はおやめください」と回答。
アンケートでは、神谷氏から具体性に欠いた展望を引き出したことを称賛する声や、冷静な進行ぶりを評価するコメントが目立った。
《参政党代表神谷に対しての質問が厳しく内容もすばらしかった》
《コメント自体が的確で常に冷静沈着で、わかりやすく丁寧であった》
《参政党神谷代表への質問の応酬が鋭くて迫力があったから》
《公平な立場で意見をしっかり伝えていると思うので》
第2位は、元日本テレビで現在はフリーの藤井貴彦アナウンサー(53)。
民放トップの視聴率を記録した『zero選挙2025』(日本テレビ系)でキャスターを務めた藤井アナも有働と同じく、神谷氏とのやり取りが話題となった。藤井アナは神谷氏へのインタビューの締めくくりで、「神谷さん、最後にひとつだけおうかがいしたいんですけども」と切り出すと、自らの思いを投げかけた。
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「日本の安全について『核武装が安上がりだ』とする候補者がいらっしゃいました。議論することや主張することは大切だと思うんですけれど、戦後80年、ずっとおじいちゃん、おばあちゃんたちが大切に育ててきた平和に対して、『安上がり』という表現は使ってほしくなかったんですよ」
この言葉をめぐっては、国民の気持ちを“代弁”したことを支持する声と、アナウンサーとしての「中立性」を疑問視する声が交錯し、ネット上で大論争を巻き起こすことに。ただ、今回のアンケートでは好意的なコメントが多く、藤井アナの誠実ぶりが評価されていた。
《局アナでありながら、はっきり自分の思いを伝えた》
《媚びを売ったりせず国民が聞きたいことをズバズバ聞いていた》
《核は防衛の安上がりと発言をした参政党の候補にお灸を据えた感じがあった》
《各党主の開票後の体調を気遣っての質問の仕方が、誠実で素晴らしい》
そして、栄えある第1位に選ばれたのは、大越健介キャスター(63)だ。
大越キャスターは、テレビ朝日で午後7時54分から約3時間にわたって放送された『選挙ステーション2025』でキャスターを務めた。番組中盤に神谷氏と中継をつないだインタビューが実施され、大越キャスターが厳しい表情で容赦なく神谷氏を追及する場面があった。
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大越キャスターは選挙期間中に神谷氏が「高齢の女性は子どもが産めない」「人口維持には若い女性に子供を産みたいという社会状況を作らないといけないが働け働けとやりすぎた」などと発言したことに言及。神谷氏が「訂正する気も、謝罪する気も一切なくてですね。当たり前のことをしっかり問題提起したと思ってます」と回答すると、さらに激しく意見をぶつけ合った。
神谷氏へのインタビュー終了後には「やっぱりポピュリズムってこうやって広がるんですよね。歯切れの良すぎる発言に対して拍手喝采が起こる、それは喜びとかそういうのではなくて、不満であるとか、怒りであるとか、そういうある種ネガティブな感情に火がつきやすいですよね」と警鐘を鳴らした大越キャスター。アンケートでは、神谷氏に厳しく迫った姿勢が絶賛されていた。
《参政党への鋭い質問が良かった》
《参政党・神谷党首に対し、過激な発言の功罪を指摘していたのが印象的だった。支持者へのアピールのためでも、人を傷つけかねない言葉のチョイスが行き過ぎた時の怖さを、伝えてくれて良かったと思う》
《参政党神谷代表への激しい追及に頼もしさを感じました》
《澱みない喋りと的確な視点、ポイントをつく判断力》
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