写真 上田碧が手掛けるメンズウェアブランド「ユース オブ ザ ウォーター(YOUTH OF THE WATER)」が、モノづくりのあるべき形を追求する新ライン「ワンオブワン(1/1)」を2026年春夏シーズンに始動する。
ワンオブワンの第1弾では、農林業被害や生態系への影響が社会問題となっている野生の鹿をフィーチャー。上田は人間の生活圏に降りてきた鹿が駆除され、その場に埋められている現状を鑑み、駆除対象の鹿皮を再利用して服を作ることを決めた。
それに伴い、鹿革を扱う業者「yes. organic deer leather」と協業。上田自ら神奈川・丹沢山の鹿の狩猟に帯同し、獲れた鹿の肉を食べ、皮を鞣してワンオブワンの製品に使用した。アイテムは全てブランドのアトリエで製作される一点物で、アウター(77万円)とベスト(49万5000円)の2型を展開。販売で得た利益の一部は、下層に降りてくる鹿の数を減らすことで失われる命を減らす研究をしている森林保全団体や研究所に寄付する。
今後、同ラインは不定期で展開。野生動物に限らず上田の琴線に触れた領域で、インラインとは違った方向性のモノづくりに取り組む。上田は、「昨今、OEMなどが発展しモノづくりの本質が揺らいでいるようにも感じる。本来モノづくりとはもっとピュアなものだったと思うので、プリミティブな方法で服を作ることで原点に立ちかえることを目指した。このラインで実験したことをいずれ本ラインにも反映させていけたら」とコメントした。