
百円札、4万8930円で落札される
板垣退助は、自由民権運動を主導し、国会の開設に尽力した人物です。実は百円札のほかに、五十銭札でも肖像画が使われています。さて、そんな板垣退助の百円札が、2025年6月8日に終了した、インターネットオークションの第123回入札誌「銀座」で落札されました。手数料込みで4万8930円と高額落札になります。実に額面の480倍となったわけです。では、一体なぜ高値となったのでしょうか。
古い紙幣ほど珍番は希少性高まる
板垣退助の百円札を持っている人は意外にいるかもしれません。その名の通り額面は“百円”であり、高額というわけではありません。筆者は札束で持っておきたいという願望をかなえるため、100枚の束で所有しています。額面でいえば1万円。実際はプレミアムが付きますが、それでも1.5万円〜2万円も出せば購入可能です。札束で持つとなぜか豊かな気分になれます。額面は大したことないのですが。
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板垣退助の百円札は、1953年12月1日に発行が開始され、1974年8月1日に発行停止となりました。今から50年以上前の紙幣となるわけです。当時、記番号に注目して紙幣を集める人はほとんどいなかったことでしょう。よくぞ残っていたといえる逸品です。
古い紙幣は回収されることで流通量は減少する
この板垣退助の百円札は現行紙幣であり、普段の支払いで使うことは可能です。もちろん、今や珍しいので使う人はほとんどいないと思いますが、神社のお賽銭で使っている人を見たことがあります。筆者はもったいないので使ったりはしませんが、昭和レトロブームが続く今、百円札にも注目が集まるとうれしいなと思っています。現行紙幣とはいえ、古い紙幣は回収されることで流通量はどんどん減少していきます。そのため、年数が経過すればするほど、こうしたゾロ目のような珍番は特に価値が高まるのではないでしょうか。
<参考>
第123回入札誌「銀座」 Lot番号:548 板垣退助100円札 2桁 TL222222W
伊藤 亮太プロフィール
慶應義塾大学大学院商学研究科修了。一般社団法人資産運用総合研究所代表理事。ファイナンシャルプランナーとして、家計・保険等の相談、執筆、講演、大学講師を主軸に活動。大学院時代の専門は社会保障で、経済・金融に関する解説も得意。コイン収集マニアの一面も。
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