
Threadsに投稿された2枚の写真が、大きな注目を集めました。ひとつは中学生の頃の学生服姿、もうひとつはロングヘアが印象的な自撮り写真。どちらも、現在25歳のHal⁎⁺˳✧༚さん(@sou_110616)本人の姿です。
投稿には「10年間生きる為に必死に努力した結果」という言葉が添えられています。Halさんの軌跡には多くの共感が集まり、1万件を超える“いいね”と、「めっちゃ可愛い」「よくここまで頑張ったね」「自分を好きになれてよかった」「生き様かっこいいね」といった温かいコメントが100件以上寄せられています。
Halさんは現在、アルバイトをしながらSNSでアパレル商品のPR活動などを行っています。この10年間について、Halさん自身が特に大きな変化だと感じていることは「両親へカミングアウトできたこと」だと言います。
「3年半前、両親にトランスジェンダーであることをカミングアウトしました。ずっと隠していたことを話せたことで、肩の荷が下りて、ストレスなく生活できるようになったのは大きな変化かもしれません」(Halさん)
|
|
「数年ぶりに中学の卒業アルバムを見たんです。辛いことも多かったけれど、今の自分を見て『本当に変われたな』と実感できた。それが誰かの頑張るきっかけになればと思って投稿しました」(Halさん)
いじめの経験は、今も夢に見るほどのトラウマだというHalさん。しかし、それと同時に「最大の努力の原動力」にもなったと語ります。
「いじめの経験があったからこそ、“加害者よりも良い人生を送ってやる”という気持ちが芽生えた。悔しさが努力の糧になっているんです」(Halさん)
Halさんが”良い人生”を送るためにまず取り組んだのは、髪を伸ばすことでした。
「トランスジェンダーにとって、何もしなければ“男っぽい”見た目のまま。だからこそ、髪を綺麗に伸ばす努力をしました。街中でも、長い髪の人を見ると“女性”と認識されやすい。その心理を利用して、自分らしく生きるための第一歩にしたんです」(Halさん)
|
|
加えて、自分に自信を持つための習慣も続けています。
「毎日自撮りをしています。少しずつでも“綺麗になってる”って感じられると、本当に自信がつくんです」(Halさん)
ヘアケアやファッションへの関心は、そんな過程から自然に芽生えたのだそう。
「髪を伸ばし始めて4年。セミロングくらいになった頃、手入れすればするほど綺麗になっていくのが楽しくなって。ファッションに興味を持ったのは、カミングアウト後に母と服を選びに行くようになったのがきっかけですね。母もおしゃれを楽しむのが好きなので、親子って似るんだなぁって。今ではInstagramでアパレル商品のPRなどもしています」(Halさん)
今回の投稿は大きな反響を呼び、コメント欄には温かい言葉が並びましたが、中には意外な反応もあったとか。
|
|
「たくさんのお褒めの言葉が自信になりました。そして以前から“上白石萌歌さんに似てる”って言われていたんですが、今回の投稿でもたくさん言われて、“私ってやっぱり似てるんだ!”と自覚しました(笑)」(Halさん)
最後に、過去の自分と同じようにいじめや自己肯定感の低さに苦しんでいる人たちへ、メッセージを伺いました。
「今いじめにあってる人は、嘘をついてでも逃げていい。ジブリ作品『もののけ姫』の劇中に出てくるセリフで“生きてりゃなんとかなる”という言葉がありますが、これって本当なんです。逃げた先で自分を信じて、少しずつ変われれば大丈夫!」(Halさん)