【オールスター】昨年10月38歳他界…思い出す球宴実況代名詞アナ、横浜の夜空からマイク手に見守る

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2025年07月24日 17:13  日刊スポーツ

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テレビ朝日の三上大樹アナウンサー(2014年8月7日撮影)

<マイナビオールスターゲーム2025:全セ−全パ>◇第2戦◇24日◇横浜



野球が大好きだった、スポーツが大好きだったあの人の姿を思い出す。「マイナビオールスターゲーム2025」の試合前練習中の取材エリアはテレビ各局のクルーとアナウンサー、記者でごった返す。球界のスター選手たちが集う。担当球団、元担当球団と担当問わず、あいさつを交わす特別な機会でもある。


昨年、10月5日に病気のため他界したテレビ朝日の三上大樹さん。38歳の若さだった。実直で堅実を絵に描いたような人柄だった。オールスター中継といえば、三上さんを真っ先に思い出す。「やっぱり、皆さんすごいですね。公私混同はだめなんですけど、プロ野球選手ってかっこいいですよね。いや〜、すごいな〜」。取材エリアの最前列で身を乗り出し、目を輝かせていた。


中継局のアナウンサーとして毎年のようにオールスターをお茶の間に届けてきた。「僕はまだまだなので…。でもこうやって間近で超一流の選手たちの息づかいを感じられるだけでもうれしいんです」。近年、多く担当したホームランダービー実況は声を張り上げ、臨場感たっぷりに盛り上げた。


試合の実況よりもベンチリポート担当の方が多かった。オールスター中継の全ポジションをこなし“球宴アナ”の代名詞のような存在だった。24年はパリ五輪のため不在で最後になってしまった23年は第1戦の試合実況、第2戦はホームランダービー実況、パ・リーグベンチリポート、ヒーローインタビューーと大車輪の活躍だった。でも「もう少しうまく質問ができればもっと盛り上げられたんですが…。すみません」とバックヤードでは反省ばかりを口にしていたのが印象深い。


24日、第2戦は横須賀市出身で横須賀高で高校球児として白球を追いかけた三上さんが少年時代から足しげく通った横浜スタジアムが舞台になる。雨が降れば「選手がぬれているのに自分が屋根のある場所にいるわけにはいかない」と傘も持たずに右翼席に向かった逸話は周知の事実。16年のオールスターは第1戦のみ担当し第2戦の舞台となった“あこがれのハマスタ”から声を届けられなかった。


空を見上げれば幾多の星が横浜の夜空を彩る。三上さんもマイクを手に汗だくでオールスターを見守っているに違いない。【為田聡史】

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