記者会見する国際通貨基金(IMF)のコザック報道官=24日、米ワシントン 【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)のコザック報道官は24日の定例記者会見で、日本に対し、対象が幅広い減税や給付金の実施を「避けるべきだ」と訴えた。先の参院選での与党大敗を受けて野党の存在感が一段と増し、歳出圧力が強まるのは必至の情勢で、さらなる財政悪化に警鐘を鳴らした。
参院選では物価高対策が主な争点となり、政権与党が現金給付を公約に掲げる一方、野党各党は消費税の減税や廃止を主張。債券市場では参院選後の財政拡張を警戒し長期金利が急上昇した。日本の債務残高は国内総生産(GDP)の2倍を超え、主要国で最悪の水準にある。
コザック氏は「高水準の債務残高などを踏まえれば、日本の財政余力は限られている」と懸念。物価高など「経済ショック」に対応するために財政出動を行う場合でも、時限的な措置とし、脆弱(ぜいじゃく)な世帯や企業に対象を絞る必要があると勧告した。