
安定したイメージのある公務員の世界だが、理不尽な目に見舞われる人も――。投稿を寄せた50代男性(年収700万円)は、地方公務員として約30年前に入職したが、陰湿なパワハラと過酷な労働との闘いだった。(文:長田コウ)
「10年前に本庁(介護保険法所管課)から出先勤務(福祉事務所)に左遷されました」
「前年度に5名が担当していた仕事を1人で担当」することに…
原因はいくつか考えられるそう。まず、「所属長(本庁課長)と係長に嫌われたこと」が原因にあると推測する。
「私の仕事の進め方が気に食わなかったのか、よく仕事にダメ出しをされていました」
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上司は「好き嫌いが激しく、かつ、パワハラ体質」だったという。当時の過酷な状況を赤裸々に書いている。
「部署内で多くの人間を些細なことで怒鳴りつけ、挙句の果てには人事評価を引き下げて出先に左遷するということを繰り返しており、少なくとも庁内の職員の健康管理を担当する部署などには多くの苦情が寄せられるような状況でした」
結果、男性もターゲットとなってしまったのだ。
男性の苦難はこれが初めてではなかった。左遷から遡ること9年前にも、「手酷いパワハラと不払い時間外で過労死寸前にまで追い込まれた」と明かす。
当時、男性は「前年度に正規職員2名と臨時職員3名が担当していた仕事を1人で担当」していた。毎月の時間外労働は「100〜120時間以上」にもなったという。それにもかかわらず、時間外勤務手当は一切認められない状況にあった。
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「加害者は出世して被害者は左遷、冷遇されて自主退職」
他にも、
「本庁課長級の上司に『あなたには長所は1つもない』などと言われたり、人前で怒鳴りつけられたり、雑談などから排除されたりなどしていました」
と、辛い過去を振り返った。この経験で心身を壊し、「一時的に仕事の能率が低下した」こともあったと明かしている。
その後、新規事業の立ち上げで評価された時期もあったが、新たなパワハラによってキャリアは完全に断たれてしまった。昇進は止まり、今も係長にすらなれていないという。現状について、こう推測している。
「セクハラやパワハラは隠蔽され、加害者は出世して被害者は左遷、冷遇されて自主退職に追い込まれるような職場ですから、私もその流れに乗ったというだけのことでしょう」
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現在は「生活保護のケースワーカー」をしている。左遷後に配属された部署で担当することになった仕事だという。そこでめげずに社会福祉士と社会保険労務士の資格を取得した。
しかし、昇進の見込みもないことから、早期退職を決意。「1年ほどゆっくりと心身を休めて、その後に開業する予定」と、前向きな展望を書いている。
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