危険地帯に突入、ナンパも屋台飯も限界突破…「海外で遊びながらできる仕事って何だろう」野球少年が人気YouTuberになるまで

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2025年07月25日 09:10  日刊SPA!

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「かずえいライフ」のかずえいさん(写真左)。ドイツで出会って“デート企画”も実現したソフィアちゃんと
『世界で遊ぶYouTuber』というキャッチフレーズを掲げ、スラム街やディープエリア、ローカル屋台飯、命懸けのアクティビティまで、体を張った旅を続けるYouTuber「かずえいライフ(kazueilife)」。
「普通の旅行じゃ物足りない」「もっとリアルで刺激的な世界が見たい」――そんな欲求を満たすべく、彼が向かうのは、観光ガイドにはまず載らない“ヤバい場所”ばかりだ。

チャンネル登録者数は51万人超え。今もっとも勢いのある旅系YouTuberの一人、かずえいさん(27歳)に、「危険とされるエリア」のリアルや、「現地美女との出会い」「腹を壊す覚悟の屋台飯」など、男の冒険心を刺激する“ヤバすぎる旅”の裏側を聞いた。

◆人生を変えた英語との出会い

東京出身のかずえいさん。学生時代は野球一筋だったが、英語への関心を持つようになったのは中学時代、所属していたクラブチームの監督の影響だったという。

「中学のときのクラブチームの監督が、外資系企業に勤めていて。独学で英語を勉強して入社したって話をしてくれて、“英語で人生を変えて成功している人ってかっこいい”って思ったんです。そこから英語に興味を持ちました」

かずえいさんは、“英語を武器に、いつか世界に飛び出したい”という思いを胸に抱いた。大学へ進学すると、すぐにフィリピン・セブ島への語学留学を経験する。

「セブ島の空気はすごく明るくて、みんなフレンドリー。“海外って、なんて自由なんだ”って衝撃を受けました。あれが人生のターニングポイントでしたね」

海外の空気に触れ、価値観が一気に広がった。そして大学3年時、アメリカへの留学が次の転機となる。

「アメリカに留学しているときに、“自分は海外で遊ぶことがとにかく好きなんだ”って気づいたんです。それで、“海外で遊びながらできる仕事って何だろう”って考えたときに浮かんだのが“YouTube”でした」

◆初バズりは“アジア人差別”のリアル

帰国後、アルバイトで貯めた200万円を握りしめて3ヶ月間アメリカを旅しながら動画を撮影。そのときに投稿した動画が収益化につながり、旅がそのまま“仕事”に変わる手応えをつかんだという。

「ちょうどその頃、コロナ禍で欧米ではアジア人への差別が報道されていたんですよ。実際にアメリカで“アジア人差別”について現地の人に聞いてみたら、その動画がたまたまバズって。あれで一気に注目してもらえるようになりました」

その動画は現在、再生数300万回を突破。YouTuberとして“かずえいライフ”の存在が広く知られるきっかけとなった。

「それまでは普通に海外生活とか留学の日常を撮ってたんですけど、その動画をきっかけに“実際に現地で見たことと、ニュースで報じられていることは違うかも”と思って。“もっとリアルを知りたい”って思うようになったんです。そこから、世界のディープな場所や危険と呼ばれるエリアにも向かうようになりました」

◆危険エリアに踏み込む、“体当たりの旅”

特に印象に残っているのは、紛争中のウクライナでの経験だという。

「正直、ニュースで見るような“戦争の現場”って、もっと絶望的で人っ気のない風景を想像してたんです。でも実際にウクライナに行ってみると、壁が崩れた建物のすぐ隣で、普通にレストランが営業していたり、普通に生活している人たちがいた。“こんな場所でも、日常って続いてるんだ”って……その光景を見た瞬間、胸をつかまれたような感覚になって。画面越しじゃ絶対に伝わらない、現地の人の“生きる覚悟”みたいなものを突きつけられた気がしました」

一方で、命の危険を感じるような場面も少なくない。中でも、インドでの体験は“本気でヤバかった”と語る。

「観光案内所っぽい場所に入ったら、実は詐欺グループの巣窟みたいなところで。こっそり撮ってたカメラがバレて、奥の部屋に連れていかれました。中にはガタイのいいインド人が3人いて、“映像を消せ”って囲まれて。映像を消してなんとか逃げられましたけど、あの瞬間は、マジで“終わったかも”って思いましたね」

命を守るために、旅先での判断は常にシビアだ。

「アンテナを張ることがすべてです。ちょっとでも“変だな”と感じたら、すぐにその場を離れる。人気の多い場所へ移動するのが基本。荷物も最低限しか持ち歩かないし、現地の人の表情や空気感を常に読んで、自分の直感を信じて動いています」

そんな緊張感ある旅の中でも、忘れられないのはスラムで出会った子どもたちの笑顔だった。

「セブ島で現地の子どもたちと遊んだとき、目がキラキラしてたんですよ。“この子たち、本気で生きてるな”って感じた。それがきっかけで、貧困とかストリートチルドレンに興味を持つようになって。実際にフィリピンで200人くらいに食事を配る活動もしました」

スラム街では、貧しいながらも人と人とのつながりが濃密で、それが強く印象に残ったという。

「フィリピンのスラムだと、近所の子が勝手に家に入ってくるのが当たり前で、みんなが家族みたい。今の日本にはないあたたかさを感じました」

◆体を張った屋台飯チャレンジから、美女との出会いも旅の醍醐味

“かずえいライフ”といえば、旅先での屋台グルメも人気コンテンツのひとつ。過酷な環境でも胃腸の強さを武器に、体を張ったチャレンジを続けている。

「自分、もともとお腹が強いんです。だから、“屋台10食チャレンジ”みたいな企画を始めてみようかなって(笑)。インド、タイ、カンボジアあたりで屋台を食べ続けましたけど、一度も体調を壊したことはないですね。ただ……インドで見た飲料水はさすがに“これはやばい”と思った(笑)。鍋に入ってたんですが、明らかに黄色くて。それでも完食しました」

また、旅の魅力のひとつが“現地の人との出会い”だという。時にはそれが、ナンパに近い形になることもある。

「ナンパっていうより、自然に仲良くなれるかどうかが大事なんです。特にホステルだと欧米人の旅人と一緒に飲んだり話したりして、そのまま一緒に観光して動画にすることも。でも、ドイツは難しかったですね。インタビューで女性に声をかける企画をやったんですが、断られまくって……撮れ高ゼロで、結局動画もボツになっちゃいました(笑)」

その中でも、特に印象に残っている出会いがあるという。

「ヨーロッパを旅していたとき、ドイツで偶然知り合ったイタリア人のソフィアちゃん。また後日、同じ国で再会して。そのまま一緒に遊びに行ったりして……ああいう偶然の再会って、旅ならではですよね。

ともあれ、モテるには“自信ある風”が大事なんですよ。日本人って海外では意外とウケがいいんですが、黙っていたら何も始まらない。こっちから話しかけていくことが大切です。堂々としているだけで印象が全然違うし、恥ずかしがっていたら出会いのチャンスも逃しちゃう」

◆旅の極意「ノリと勢いが大事」

旅の本質は“楽しむ”ことである。かずえいさんは、計画よりも“ノリと勢い”が世界を広げる鍵になるという。

「日本ってどうしても計画優先ですけど、海外は“面白そうだから行っちゃえ!”っていうノリのほうが最高の体験につながります。たとえば、マレーシアにあるキナバル山。ノリで1泊2日かけて登ったら高山病になりかけたことも。崖から飛び込む“クリフジャンプ”では落ち方をミスって怪我しかけたこともあります。でも、そういうギリギリの体験ほど、あとから笑えて語れるネタになる。ガイドブック任せや予定どおりの旅じゃ、面白くならないですから」

最後に、これから旅に出たい人や今の自分を変えたいと思っている読者へ、こんなメッセージをもらった。

「もし今が楽しくないなら、思い切って環境を変えてみてほしい。違う世界を見れば、人生って本当に変わる。自分も新しい場所に飛び込んで、YouTubeを通して挑戦したから人生が一気に面白くなった。挑戦こそが、人生を充実させる秘訣だと思います」

【かずえいライフ】
東京都出身のYouTuber。27歳。「かずえいライフ kazueilife」のチャンネル登録者数は51.9万人。「世界で遊ぶYouTuber」をモットーにスラム街やディープエリア、ローカル屋台飯、命懸けのアクティビティまで体を張った旅を発信中。
Instagram:@kazueilife

<取材・文/カワノアユミ>

【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

このニュースに関するつぶやき

  • 武勇伝づくりにインドに行くのは本当にやめてほしい。バッカパッカーが真似するんだよ。安全を疎かにするのは度胸でも勇気でもない。
    • イイネ!8
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