米Backboneが手掛けるスマホ向けゲームコントローラーの新モデル「Backbone Pro」を、国内販売代理店のソースネクストが7月25日にECサイトや各家電量販店などで発売しました。
価格は2万9700円と、割と強気な設定です。2024年に現行モデルの「Backbone One」(1万9800円)が発売済みですが、“Pro”をうたう新モデルは何が進化しているのでしょうか。実機を試してみました。
●そもそも「Backbone」とは?
Backboneは本体中央にある伸縮ホルダー部分にスマホを取り付けることで、外付けコントローラーに対応するスマホゲームやゲームリモートアプリなどで物理的なスティックやボタンが使えるようになるデバイスです。
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現行のBackbone OneはUSB Type-C(またはLightning)で直接接続するため、充電やペアリングが不要で、ゲーム専用機と同等の操作感をスマホゲームでも得られるのが魅力です。
2024年には小島プロダクションとのコラボで「Backbone One - DEATH STRANDING リミテッドエディション コントローラー」も登場するなど、業界での知名度や商品力もあります。
→・スマホのゲーム体験が激変する「BACKBONE One」がiPhone 16でも快適に使えました
●「Backbone One」と新「Backbone Pro」の違いは?
Backbone Proは、Bluetoothワイヤレス機能と約40時間動作するバッテリーを新たに搭載しました。これにより本体に装着したスマホだけでなく、スマホ・タブレット・PC・VRヘッドセット(Apple Vision Pro/Meta Quest)・スマートテレビなど、コントローラーに対応する機器にワイヤレス接続できるようになりました。
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つまり、複数デバイスで使うゲームコントローラーが、Backbone Pro1台で済むようになるということです。
そしてゲームコントローラーとしてハードウェア面も強化されています。アナログスティックはBackbone Oneと比べて大型化され、劣化やドリフト現象が発生しにくいホールエフェクト方式を採用しています。
まじまじと見てみると、Xbox ワイヤレス コントローラーのアナログスティックと見た目も質感も触り心地も同じようですが、実はXbox ワイヤレス コントローラーで純正採用されているアルプスアルパイン(ALPS)製の部品を採用しているとのこと。
さらにグリップ背面にはカスタマイズ可能な背面ボタンを新たに搭載しています。ちなみにその他のボタンもカスタマイズやプロファイル保存が可能になっているようです。
●実際に触って感じた進化ポイントは?
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現行のBackbone Oneを使っていた筆者が新しいBackbone Proを触ってみたところ、まず握り心地の向上したという印象が強いです。
Backbone Oneは持ち運びを重視したスリムなデザインだったのに対し、Backbone Proは長時間のゲームプレイを見据えた太めの本体と、背面に施された滑りにくいグリップによって、かなり持ちやすくなっています。
アナログスティックはXbox ワイヤレス コントローラーと同等の使い心地で、かなり操作感が向上しています。ABXYボタンもBackbone Oneに比べてストローク量が増え、“ポチポチ感”が減少しています。一方で十字キーの押し心地は変わりないようでした。
デバイス間の切り替えはスムーズ?
Backbone Proはマルチペアリングに対応しており、本体にスマホを装着したままBackboneアプリ上で接続先デバイスを切り替えられます。左グリップ下にあるペアリングボタンを押してもペアリングが可能です。
接続先の切り替えは独自の「FlowState テクノロジー」によって高速化されているとのことですが、確かに切り替えはスムーズです。スマホを装着したままでも他デバイスで使えるので、重さが気にならなければ、わざわざ取り外さずにそのまま使うこともできます。
Backboneアプリではボタンの配置や再割り当て、アナログスティックやトリガーの感度調整も可能です。プロファイルを作って簡単に設定を切り替えられるので、ゲームごとに設定を詰めてもいいかもしれません。
●約3万円の価値はある?
Backbone Proは約3万円と非常に高価ですが、複数のデバイスでゲームをプレイする人、競技性の高いゲームで高品質なコントローラーを使いたい人、そしてそれらを1台で済ませたいミニマリストな人に向いています。ただし、空間的余裕があるならBackbone Oneと通常のゲームコントローラーを2台持ちするという選択も悪くないでしょう。
Backboneシリーズを収納できる専用キャリングケース(4950円)も発売されるので、頻繁に持ち運びする人はこちらも検討してもよさそうです。
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