東京メトロ全線でクレカタッチ乗車、26年春から 直通「JR・私鉄」路線での利用は可能? 広報に聞いた

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2025年07月25日 12:21  ITmedia Mobile

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東京メトロ半蔵門線18000系。画像は東京地下鉄のニュースリリース(2025年4月28日発出)より引用

 東京地下鉄は2026年春から、東京メトロ全線でタッチ決済による後払い乗車サービスを開始すると発表した。これにより、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカード、あるいはそれらのカードが設定されたスマートフォンなどを自動改札機にかざすだけで、事前に乗車券を購入せずに東京メトロ全線を利用できるようになる。


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 同社広報は、「2023年8月に行った実証実験や、2025年3月に開始した一部サービスの利用状況、そして利用客のニーズを踏まえ、2026年春に全線でクレジットカードのタッチ決済を導入することを決定した」と、導入決定に至るまでの経緯と意図を説明した。実証実験後の「詳細な検討状況」については言及を控えたが、「これまでの利用状況とニーズを総合的に判断した結果だ」とした。


 サービス開始日や詳細については、決定次第改めて告知するとしている。


●直通の「JR・私鉄」を介してもタッチ決済乗車できる? 広報に聞いた


 東京メトロの一部路線は、JRや私鉄など他社路線と乗り入れているが、他社路線を介してもタッチ決済乗車は可能だろうか。


 東京地下鉄広報は、「現時点では、東京メトロの駅で入場し、他社の路線の駅で出場する際(またはその逆)に、クレジットカードのタッチ決済は利用できない」と回答した。例えば、東京メトロ千代田線の駅で入場し、小田急線の駅で出場するといったケースでは、このタッチ決済乗車は利用できない。


 一方で、東京メトロ線内であれば、「入場時と出場時で異なる路線を利用しても問題ない」としている。例えば、千代田線の駅で入場し、銀座線の駅で出場するような場合なら、タッチ決済乗車が可能だ。


●三井住友カードの公共交通機関向けソリューション「stera transit」を活用


 タッチ決済による後払い乗車サービスに活用するのは、三井住友カードの公共交通機関向けソリューション「stera transit」だ。これは、三井住友カードがGMOペイメントゲートウェイ、GMOフィナンシャルゲート、Visaと共同で構築した事業者向け決済プラットフォーム「stera」の技術を応用したもの。現金や事前チャージが不要となる消費者の利便性向上に加え、感染症予防対策やインバウンド受け入れ環境の整備、地域のキャッシュレス決済促進など、幅広い効果が期待されているという。


●タッチ決済とQRコードを活用した乗車サービス、具体的に何駅で利用可能?


 東京地下鉄では、タッチ決済とQRコードを活用した乗車サービスに対応する自動改札機の設置も順次進めている。2025年6月には26駅に設置し、全180駅中104駅で対応済みだ。同社は、2025年度中の全駅設置(他社への管理委託駅を除く)を目指し、引き続き設置駅数を拡大するとしている。最新の設置状況は同社Webサイトで確認できる。


●今後はより便利でスムーズな乗車サービスを提供していく方針


 今後も同社は、交通系ICカードを主軸としつつ、日頃の利用者や国内外からの訪問客に対し、より便利でスムーズな乗車サービスを提供していく方針で、交通系ICカードが引き続き主要な決済手段であることを強調しつつも、今回のタッチ決済導入のように多様な利用ニーズに合わせてそれ以外の決済サービスにも対応していく姿勢を示している。



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