医師から告げられたのは「右腕の切断」 骨肉腫になった16歳が直面した“不安と孤独” 3度の高校生活を経て…26歳の今、発信し続ける理由とは

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2025年07月26日 06:40  まいどなニュース

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手術の後遺症にも悩まされたと言います/みやびPさん(@miyabi_udenashi)提供

高校時代にがんの一種「骨肉腫」と診断されて右腕の切断という決断を迫られた男性が、自身の経験を踏まえて苦難の乗り越え方や病気との向き合い方についてYouTubeで発信し話題となっています。

【写真】3度目の高校生活をスタートさせた投稿者さん 新しい友人や彼女をつくることができました

YouTubeチャンネルを運営しているのは現在26歳のみやびPさん(@miyabi_udenashi)。16歳で経験した骨肉腫になった時の体の変化について投稿した動画は再生回数1万回超となり、「こうして発信してくれると若いからといって大丈夫じゃないんだと知ってくれる人がふえていいなと思います」「みやびさんの動画を見て何かあればすぐに病院に行かないとダメだなと思うようになりました」などの声が寄せられています。

部活に熱中していた高校時代、いつからか体調不良が…

部活に熱中していた高校時代、いつからか体調不良が続くようになり、集中力がもたない、呼吸が乱れるといった状態になっていたという、みやびPさん。部活やアルバイトによる忙しさが原因で痩せていくのだと思い込んでおり、初めはあまり気に留めていなかったのだそう。

「次第に右腕が痛み始め、時には寝ている最中でも痛みで飛び起きてしまうほどでしたが、それでもがんだとは思わず青紫色に腫れるまで放置してしまったんです」(みやびPさん)

なかなか痛みが治まらなかったため近所の病院を受診すると、すぐに大きな病院で精密検査を受けることになり、「骨肉腫」と診断されることに。みやびPさんは、「16歳でお酒もタバコも当然嗜んではいなかったので、”がん”と自分に言われても、まるで他人事でした」と当時を振り返ります。

そんな現実を受け止めきれないみやびPさんがさらに医師から告げられたのは、「右腕の切断」でした。

「バスケや陸上をしていたので、利き手でもある右腕を失うことで、もう好きなことに関われなくなるんじゃないか…。とにかく今後がとても不安でした」(みやびPさん)

治療の副作用は壮絶で、髪の毛だけでなく全身の毛が抜け、熱や吐き気、倦怠感に苦しんだと言います。しかし休学して入院生活を送りながらも、心のどこかで「また学校に戻れる日がくるかもしれない」と、わずかな希望を抱いていたそうです。

「自分よりあとに入院して、先に退院していく人たちを見ると、とても羨ましかったです。何をどう考えていいか分からなくて…。将来のことも不安で、ただただしんどかったです」(みやびPさん)

友人らに後押しされる形で、3度目の高校生活

そんな状況が続く中でついに退院することになりますが、休学していたこともあり留年が決まります。学校生活にも馴染めず、次第に不登校となったみやびPさん。一度は復学するものの、体育の授業が受けられないことで単位が足りず、再び留年が決まってしまいます。時には、自宅を飛び出して家出をしたり、自殺を考えたりすることもあったんだとか。

「親にも、友達にもクラスメイトにも言えなくて、どうすればいいか分からなかった。でも、ただ“ひとりになりたかった”んです」(みやびPさん)

結果的にみやびさんは2度の留年を経て学校を辞めてしまいますが、「他人を羨ましく思うなら、また高校へ行けばいい」と友人らに後押しされる形で、3度目の高校生活を再スタートさせることを決意します。

「やっぱり、学校や部活動が好きだったんです。やってみてダメだったらその時また考えればいい。そんな思いで、もう一度通い始めました」(みやびPさん)

「2歳も年下の同級生たちに囲まれ、かつ自分が障害を持っていることで、どんなふうに見られるのか…。もちろん不安はありました」と話すみやびPさん。しかし3度目の高校生活では、新しい友人や彼女をつくって楽しむことができたのだそう。

”どんな時でも自分を信じること”の大切さを伝えたい

高校卒業後は大学へ進学し、大手企業へ就職。しかし障がいを持っていることや、それが原因で周囲との後れを感じて焦ってしまったことで体調を崩してしまい、退職せざるを得なくなってしまいます。

そんなみやびPさんが再び前向きな気持ちを取り戻したのは、飲食のアルバイトを始め、「自分の好きな”料理”で生活できている」と実感できたことがきっかけだそう。元気を取り戻したみやびPさんが新たにスタートさせたのは、YouTubeでの発信でした。

「YouTubeを見て元気をもらっていたので、自分もそんな風になりたいと思ったんです。小さい頃から特撮が好きだったこともあって、“苦しんでいる人に向けて行動することが正義”だと思うようになりました」(みやびPさん)

みやびPさんの動画には、かつての自分と同じような悩みや苦しみを抱える人々から、「お互い生きる事を楽しみましょう」「自分はこの動画から何かバトンをもらったと思います」など多くの共感の声が届きました。

「“小さなことで悩むのはやめようと思った”とか、“自分も諦めないでやってみようと思った”ってコメントをもらって、まるで自分が励まされているみたいでした」(みやびPさん)

YouTubeの発信を通して、みやびPさんが最も伝えたいのは、「”どんな時でも自分を信じること”の大切さ」だと言います。

「病気や障害に関係なく、悩んでいる人は多いと思います。でも、自分自身と、自分の好きなこと・やりたいことを信じて、なんでも挑戦してみてほしい。僕の経験上、楽しいことや嬉しいことは、悲しかったり苦しかったりした出来事の“後”に必ずありました」(みやびPさん)

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