
視覚的にも涼感が得られる屋内型施設は、厳しい暑さが続く夏にもってこいの観光スポット。2025年春に改装された「休暇村讃岐五色台」とあわせて、香川の新たな絶景空間を巡る旅を紹介します。
瀬戸内海がすぐそば「四国水族館」
海に囲まれた四国は、四万十川や吉野川などの清流ある、水景に恵まれた土地。それをテーマとした「四国水族館」は、瀬戸内ゾーン、太平洋ゾーン、深海ゾーン、淡水ゾーンなどエリアごとに水槽が設けられています。全部で70もの「景(展示エリアや水槽のこと)」を通して、四国周辺で見られる生き物400種を展示しています。入口にまず、迷路アーティストMr. Amazer氏によるイカとタコの壁画があります。ここで実際に迷路に挑戦してみると、大人も思わず夢中になるおもしろさです。
そして、四国最大650立方メートルの水槽がある「綿津美(わたつみ)の景」は、海の中にいる気分に浸れる、この水族館のメインであるエリアの1つ。
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続いて、フォトスポットとして人気なのが「渦潮の景」です。鳴門海峡の渦潮、その世界屈指の乱流する海中を再現した水槽は、いきいきと泳ぐ魚たちをまるで水中観覧船の中から海をのぞくような体験ができます。ぜひ撮影にもチャレンジしてください。
それぞれの水槽の前には、飼育スタッフが1つずつ手描きしたアートボード「黒板解説」が設置されています。魚たちを間近で飼育するスタッフならではの豆知識がわかりやすく紹介されていて、他の水族館にはないアットホーム感も魅力と言えます。
SNSで話題、夕日とイルカのプログラム
屋外の海豚(イルカ)プールがある「夕暮れの景」で実施される、マダライルカのプログラムも人気です。瀬戸内海をバックにイルカたちが豪快にジャンプする光景は、一見の価値あり。プールと観覧席の間にアクリル板が一切なく、距離の近さも魅力です。期間限定で夕暮れの時間帯に行う「イルカサンセットプログラム」では、さらにフォトジェニックな瞬間が見られます。
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「瀬戸内海と空をつなぐ」をコンセプトに設けられ、目の前の海と空が一体感になったかのような写真を撮ることができ、四国で今、最も話題のフォトスポットとなっています。
生き物たちの赤ちゃんが続々誕生
また水族館では、春先から生き物の赤ちゃんが次々と誕生。2025年は、クマノミ、イサキ、トサキン、高知県黒潮実感センターとの協業事業でふ化したアオリイカの稚イカなどに加え、6月に同水族館初となるカリフォルニアアシカの赤ちゃん(※)も誕生しました。
※カリフォルニアアシカの赤ちゃんは2025年7月現在、バックヤードで飼育中。一般公開時期未定。
水族館ならではの映えスイーツも
この水族館限定の“映え”スイーツもおすすめ。2階の「キッチンせとうち」では、一口カステラのカワウソたちが家に見立てたワッフルに入っている「カワウソワッフル」(980円、数量限定)、イルカの形をしたライスがかわいい「ドルフィンカレー(中辛)」(990円)のほか、香川ならでは「香川県産オリーブ牛ぶっかけ讃岐うどん」(1680円)などを味わうことができます。
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宿泊者限定!フォトジェニック「水鏡」体験
「休暇村讃岐五色台」は、讃岐平野と瀬戸大橋が一望できる標高400メートルの高台に2025年3月リニューアルオープン。フォトジェニックな「水鏡のテラス」が誕生したほか、従来の和室が和洋室に、さらにプレミアムな客室が登場するなど、以前よりさらに瀬戸内の絶景が堪能できるホテルへと様変わりしました。
「水鏡のテラス」は、ホテル宿泊者専用。約400平方メートルの広々としたテラスに、香川県にある絶景スポットの1つ「父母ヶ浜」(三豊市)のような水鏡を再現した約100平方メートルの水盤が広がっているのが特徴です。
特に天気がいい日の夕方には、瀬戸内海に沈んでいく夕日に照らされた水面に空が映り込んで幻想的なシルエットが浮かび上がります。まさにフォトジェニックな光景なので、訪れた際にはぜひ撮りたいショットです。
また、同時期に「瀬戸内天空の絶景温泉」もオープンしました。男女合わせて約30メートルにもおよぶ大浴場は、瀬戸大橋、夕日、そして夜景という瀬戸内ならではの景色を内外の湯どちらからも望めます。まさに天空から望むかのような非日常体験が堪能しつつ、肌にやわらかい湯で身も心も癒されるでしょう。
まるで別荘、テラス付き半露天風呂とサウナ
リニューアルオープンで誕生した全8室の客室「プレミアム和洋室」に2025年5月、さらに2部屋限定の「瀬戸内テラス」が加わりました。この客室も瀬戸内海に面し、約100平方メートルの広さ、テラスと部屋のどちらからもアクセスできる半露天風呂や1人用ソロサウナなどがあり、まるで海外の高級リゾートに来たかのような気分が味わえます。
客室は最大6名まで利用可能。ゆったりくつろげるリビング、ミニキッチンや洗濯乾燥機なども備え、まるで別荘に滞在するかのような感覚で過ごせます。
その他、ロビーラウンジは、木と森の温もりに加え、五色台の山の周辺で採れる讃岐岩、通称サヌカイトと呼ばれる石をテーマとした落ち着いた空間にリニューアル。大きな窓から日中は瀬戸内の風景美、夜は街の明かりを眺めることができます。
さらに、隣接する「絶景レストラン瀬戸内ダイニング」もその名の通り、海や夜景といった絶景を眺めつつ地元の料理が存分に味わえる食事処。瀬戸内産の旬魚をはじめとする香川県や四国の食材をふんだんに使った料理の数々が堪能できるほか、オープンキッチンではにぎり寿司や牛ステーキなどがふるまわれます。
日ごろの喧騒(けんそう)から逃れ、瀬戸内海の絶景に浸り、SNS映えする最新スポットを訪れる……香川の新たな魅力を発見できる旅になるはずです。
(文:シカマ アキ)