ひろゆきが海外移住よりコスパのいい移住先を提案!「いざを考えると海外は幻想」

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2025年07月27日 16:20  日刊SPA!

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日刊SPA!

ひろゆき
―[ひろゆきの兵法〜われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?〜]―
2025年の参院選でも大票田となった氷河期世代。就職難に非正規雇用、低年収に大増税時代で手取りは減り、これから待ち受けるのは親の介護と老後破綻。そんな不遇で苦しい人生を生きる氷河期世代とともに、同世代のひろゆきが人生後半を考える。

今回は「氷河期世代が移住するならどこ?」というもの。SPA!をはじめ海外移住などを推奨する記事が散見するが、自身もフランス移住するひろゆきは「海外移住よりもコスパがいい移住先がある」という。それはいったいどこなのか? 理由とともにひろゆき氏に語ってもらった。(以下、ひろゆき氏の寄稿)

 物価はじわじわと上がっているのに、給与の上昇が追いつかないどころか氷河期世代に至っては停滞ぎみ。年金も減りそうな状況で、バブル世代のような老後を望むのは難しい時代になってきました。

 すると、「老後は生活費の安い国へ移住しよう」と考える人が一定数います。

 たしかに10年以上前は東南アジアなど物価が安い国に移住して、年金で悠々自適に暮らす高齢者の話をよく耳にしました。円高だった時代には物価の安い国なら年金収入中心でも暮らせたからです。

 でも、最近は「海外移住したはいいけど生活苦で、日本に戻ってきた」なんて話もチラホラあったりします。失われた30年の間に日本以外の国はしっかりと経済成長していて、賃金も物価も上昇しているので、日本人が海外で生活するハードルは格段に上がっているのですね。

 例えば今のタイでは、家賃や食費を切り詰めても月10万円くらいはかかります。フィリピンの地方都市とかで月5万円で生活している日本人もいますが、病気や事故となればお金がかかる。しかも、医療や福祉制度の違いもあるので、想像とは違う可能性のほうが高い。しかも永住権がなければ、定期的に日本に帰国する必要もあるので旅費もバカになりません。

 海外で仕事につけるだけの柔軟性がある職業、例えば寿司職人とかでもないと難しいと思うのです。仕事のある状態で外貨を稼いだほうが日本にいるより収入は増えますし、外銀のほうが利子も高い。

 それであれば、多少不便であっても日本の地方都市のほうがコスパはいいはず。

 中心部から離れても車が必要でなければ、年金でも生活できます。空気もキレイで、ネットがあれば欲しいものはほぼ手に入るし、趣味もオンライン上で完結できるなら東京在住と大した差はない。気心の知れた友人とたまに飲みに行けるだけでも、生活の充実度は大きく違ってくると思うんですよね。

◆「福祉に頼れる」という、日本人最大のメリット

 そして、何よりも重要なのは、「いざというとき、福祉に頼れる」というメリットが日本にはあることです。

 例えば、外国人でも日本の社会保障や医療制度を受けられる方法があるのですが、それを目的に移住してくるくらい日本の社会保障制度は手厚かったりします。

 逆に日本人が海外に移住して、その国の社会保障にアクセスするのはハードルが高いです。仮にアクセスできたとしても、日本ほど手厚い社会保障のある国を探すと、富裕層でもなければ移住できないような福祉国家ばかりになってしまいます。

 でも、日本であれば住んでいるだけで生活保護や医療費助成といったセーフティネットがある。これは日本人として生まれた最大のメリットのひとつだったりするのです。つまり、経済的にギリギリな氷河期世代にとって、「海外移住=戦略的な選択」という考えは幻想でしかない。

 だからこそ日本にとどまって、制度を最大限活用することが、現実的な選択じゃないかと思うのですよ。

構成・撮影/杉原光徳(ミドルマン)

―[ひろゆきの兵法〜われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?〜]―

【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』

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