<ノルディックスキー:サンピラー国体記念サマージャンプ>◇27日◇名寄ピヤシリシャンツェ(ヒルサイズ=HS100メートル)
雪印メグミルクがチーム初のアベック優勝に輝いた。男子は主将の佐藤幸椰(30)が合計250・5点で2連覇を達成し、2位佐藤慧一(28)、3位小林朔太郎(25)と表彰台を独占。女子は一戸くる実(21)が合計223点で初優勝した。所属選手だった坂野旭飛さんが1日に亡くなって迎えた、チームにとっての今季初戦。天国の仲間を追悼する試合となった。
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表彰台の中央に立った佐藤幸は、伊東大貴監督(39)が胸にぶら下げていた坂野さんの写真を手渡された。左右には2位佐藤慧、3位小林朔が並び、写真とともに記念撮影。「チーム3人で表彰台を独占できたのは、サマーシーズンのスタートとして良かった」と喜んだ。
スタートリストには、エントリーを終えていた坂野さんの名前が残されていた。表彰式が終わると、飛躍時のように「61番、坂野旭飛、雪印メグミルクスキー部」と異例のアナウンスがされ、ファンからの「旭飛」コールが響いた。ジャンプ台から坂野さんを天国へ送り出した。
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22年北京五輪代表の佐藤幸は1回目に95メートル、2回目に最長不倒の96・5メートルを飛んで完勝した。チーム史上初の女子選手として4月に入社した一戸が先に優勝を決めており「すごく力になった」と刺激を受け、後に続いた。チームにとって史上初のアベック優勝を達成した。
小さい時から坂野さんと親交があった一戸は、「尊敬もしていたし、一緒のチームになるのはすごい心強かった。失った悲しみは、私自身もチームとしても、すごく大きなこと」と喪失感を語る。飛躍前には坂野さんの写真に向かって「行ってくるね!」と報告してから臨んだ。向かい風の好条件に、2回目はK点越えの93・5メートル。「旭飛が風を吹かせてくれたんじゃないかなって思う」と感謝した。
寂しさはまだ拭い切れないが「みんなで沈んでいるのを望んでいる訳じゃないと思うので、前を向かないといけない」と顔を上げる。ミラノ・コルティナ五輪の代表争いへ、「旭飛の分まで頑張ろうと思う」と誓った。【保坂果那】
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