特殊詐欺で使われて取引が停止された凍結口座から資金を引き出したとして、警視庁犯罪収益対策課は28日、コンサルティング会社「スタッシュキャッシュ」(東京都渋谷区)の実質的経営者、林竹千代(61)=横浜市神奈川区高島台=と同社代表の井上達雄(73)=東京都杉並区和泉4=の両容疑者ら男性3人を詐欺と公正証書原本不実記録・同供用容疑で逮捕したと発表した。
他に逮捕されたのはシステム関連会社「Recrutas(リクルタス)」(東京都台東区)元代表で中国籍の李小暢容疑者(37)=埼玉県川口市芝4。
逮捕容疑は共謀して2024年8月、東京都中央区の銀座公証役場で、スタッシュ社がリクルタス社に現金650万円を貸し付けたとする虚偽の内容の公正証書を公証人に作成させ、この公正証書を使ってリクルタス社名義の凍結口座を差し押さえる強制執行を東京地裁に申し立て、口座に残っていた約610万円をだまし取ったとしている。警視庁は3人の認否を明らかにしていない。
警視庁によると、犯罪に利用されたことが判明した口座は、銀行などに取引を停止されて凍結される。今回のリクルタス社名義の口座は24年3月に凍結されていた。継続的に特殊詐欺事件の被害金が入金されていたとされる。
強制執行では、債権者が公正証書などを基に裁判所に申し立て、裁判所が差し押さえを命じれば、裁判の判決と同様に凍結口座から債権を回収できる。
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警視庁は、林容疑者らが、強制執行の制度を悪用して、凍結口座から現金を引き出すのを請け負っていたとみている。【長屋美乃里、菅野蘭】
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