深江石町遺跡から国内で初出土した中国のくし「箆(び)」=28日、福岡県糸島市役所 福岡県糸島市は28日、深江石町遺跡から、髪の毛のシラミや汚れを取る中国のくし「箆(び)」が国内で初出土したと発表した。
市によると、「箆」は弥生時代後期前半(約1950年前)の土坑から出土。長さ7.1センチ、幅5.5センチ、厚さ1〜5ミリで、髪をとかす歯の部分が70本と密なのが特徴。中国のくしでは、髪を整える「梳(しゅう)」の国内出土例はあるが、汚れを取るための「箆」は初めて。漢などの中国王朝の朝鮮支配の拠点だった楽浪郡から当時の「伊都国」にもたらされた可能性が高く、「伊都国」が先進文化の窓口だったことを示しているという。
月形祐二市長は、「今回の貴重な出土を、豊かな自然や農林水産物と共に、糸島ブランドの資源として生かし、次世代にも残したい」と語った。