写真 大丸隆平が手掛ける「オーバーコート(OVERCOAT)」が、2026年春夏コレクションで第58代横綱 千代の富士とのコラボレーションアイテムを発表した。2026年3月頃の発売を予定している。
千代の富士は、「ウルフ」の愛称で親しまれた昭和を代表する大横綱。身長182cm、体重120kgと大相撲では小柄ながら、鍛え上げた肉体で巨漢の力士と渡り合い人気を集めた。1981年に初優勝・横綱昇進を果たすと、1989年に角界初の国民栄誉賞を受賞、1990年には史上初の通算1000勝に到達。引退後は九重部屋の親方として後進の指導にあたっていたが、2016年に61歳の若さで死去した。
同コラボは、千代の富士の長男 秋元剛との親交をきっかけにスタート。資料として提供された遺品の服を試着する中で、自ずと生じるオーバーサイズなシルエットの現代性に惹かれると同時に、横綱の身体のスケールを体感することの面白さを感じたという。そこで、のべ100ブランドのパターンメイキングを手掛けてきた大丸の独自技術により、遺品を解体することなく正確に型紙をトレース。あえてパターンには手を加えず、ありのままの”千代の富士サイズ”を再現することで、その中にあった肉体や人生まで感じられる一着に仕上げた。
コラボアイテムは、生前に愛用していたジャケットとトラウザーズ、断髪式で着用したというウイングカラーのシャツをベースに製作。名入れ刺繍などのディテールを忠実に取り入れた一方で、ジャケットやトラウザーズにはブランド定番のウールシャツの生地を使用した。芯地やパッドのない軽やかな仕立てを採用し、シャツにはロールアップした袖を留めるボタンをデザインするなど、現代のファッションや生活に合わせたアレンジを施した。
同コレクションでは、テーラードジャケット(12万1000円)やタキシードトラウザーズ(7万400円)、タキシードシャツ(6万3800円)を用意。そのほか、四股を踏む千代の富士の姿をあしらったグラフィックTシャツ(1万6500円)も登場する。
■オーバーコート:公式サイト