金を渡した後も脅されたか 佐賀・伊万里の強殺、容疑者を送検

0

2025年07月28日 19:06  毎日新聞

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

毎日新聞

規制線が張られた事件現場の民家=佐賀県伊万里市で2025年7月28日午前7時24分、成松秋穂撮影

 佐賀県伊万里市の民家で女性2人が殺傷された事件で、県警は27日、現場近くの同市東山代町長浜に住むベトナム国籍の技能実習生、ダム・ズイ・カン容疑者(24)を強盗殺人と住居侵入の容疑で逮捕した。「何も話したくありません」と述べ、容疑を否認しているという。県警は28日、ダム容疑者を送検した。


 逮捕容疑は26日午後4時20分ごろ、同市東山代町長浜の民家に侵入し、住人で日本語講師の椋本舞子さん(40)にナイフを示して現金1万1000円を奪った上、椋本さんの首を切り付けるなどして失血死させたとしている。


 県警によると、椋本さんの70代の母親も首などを切り付けられたが、命に別条はない。母親は襲われた後にすきを見て玄関とは別の出入り口から外に逃げ出し、近隣住民に助けを求めた。通報で駆けつけた警察官に「インターホンが鳴ったので玄関を開けたら、面識のない男性が入ってきた」と説明。「お金。財布を見せろ」などと脅され、椋本さんが1万円札を渡したが、さらに脅され、追加で1000円札を渡したという。その後、抵抗する椋本さんと母親が相次いで切り付けられ、男性は逃走した。


 県警捜査本部が、インターホンのカメラに記録されていたマスク姿の男性の画像を基に捜索したところ、現場近くに建つ食品加工会社の寮の一室に住むダム容疑者が浮上。寮から血の付いた刃渡り約13・5センチのナイフ1本が見つかり、凶器とみて押収した。寮にいたダム容疑者を任意同行した上で逮捕したという。県警はダム容疑者が単独で事件を起こしたとみており、現場には荒らされた跡もあることから他に奪われた物がないか捜査している。【成松秋穂】



    ニュース設定