


結局、兄の家からベビーカーをもらう話は消えてしまったのでした。義姉に対してあんなに怒っていた母も、自分が買ってあげようという気持ちはないようです。夜になり帰宅したカズヒロに一連の出来事を話すと、ため息をつかれました。


「超高級なベビーカーだったんでしょ? 普通に1万払えばよかったのに。もらう側が変にごねたりするから、話がなくなったんでしょ」カズヒロはどこか他人事。私は友人のメッセージグループでお願いしてみようと思い立ちます。

結果的にベビーカーをもらうあてがなくなってしまいました。わが家は子どものことは私に一任されているので、カズヒロには頼れません。ベビーカーなんて買っても使える時期は限られているので、やっぱり誰かからタダでもらいたいところです。そう思って友人たちに連絡をしてみたけれど、いまだに誰も返事をくれません。
「譲ってくれませんか?」という言い方だと誤解を生むことが分かったから、ちゃんと「タダでくれませんか?」と打ちました。既読にはなっているのに、誰からも反応がないなんておかしいな……。きっとみんな忙しいんだろうな……。そんなふうに思いながら、私は今日もベビーカーをくれる人を探しつづけています。
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