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2025年07月28日 21:30 ITmedia PC USER
デル・テクノロジーズは7月28日、高性能ノートPC/モバイルワークステーション「Dell Pro Max」シリーズの新モデルを発表した。同日から順次販売を開始する。
●Dell Pro Maxシリーズの概要
Dell Pro Maxシリーズは、1月に発表されたPC製品のリブランドに基づく、新しいハイスペックPC/ワークステーションPCのブランドだ。今までの「Precision」ブランドの後継に当たり、3月には第1弾製品としてデスクトップおよびノートPCのベースモデルが登場している。
今回の新製品は、ノートブックタイプのベースモデルにおける追加ラインアップの他、「Plus(拡張性重視モデル)」と「Premium(モバイル性を重視したプレミアムモデル)」が登場する。
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●新モデル共通の特徴
Dell Pro Max 14のAMDモデルを除き、今回の新モデルではカスタマイズ(CTO)オプションとしてNVIDIAの最新モバイル向けプロフェッショナルGPU「NVIDIA RTX PRO Blackwellシリーズ」を搭載できる。搭載できるGPUは、モデルや構成によって変動する。
その名の通り、NVIDIA RTX PRO Blackwellシリーズは「Blackwellアーキテクチャ」に基づくGPUだ。同一アーキテクチャの「GeForce RTX 50 Laptop GPUシリーズ」と同様にマルチフレーム生成の強化とAIベースの「ニューラルシェーダー」の導入が行われている。
プロフェッショナル向けということもあり、NVIDIA RTX PRO Blackwellシリーズは主要なISV(独立ソフトウェアベンダー)によるアプリの動作認証を取得している。ミッションクリティカルな用途に使われがちな上位モデルについては、ECC(エラー確認/訂正)機能付きグラフィックスメモリも備える。
一方で「CPUにパフォーマンスは必要だが、外部GPUは必要ない(CPU内蔵GPUで十分だ)」というニーズも存在するため、外部GPUレスモデルも引き続き提供される。
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●Dell Pro Max 14/16(新モデル/構成追加)
14型の「Dell Pro Max 14」と16型の「Dell Pro Max 16」では、既存のIntelモデル(MC14250/MC16250)において外部GPU搭載構成が追加された他、Ryzen AI PRO 300シリーズを搭載するAMDモデル(MC14255/MC16255)が新登場する。AMDモデルについては、Dell Pro Maxシリーズとしては初となる「Copilot+ PC」準拠製品となる。
AMDモデル
AMDモデルのAPU(GPU統合型CPU)は、モデルによってRyzen AI 5 PRO 340(6コア12スレッド/最大4.8GHz)/Ryzen AI 7 PRO 350(8コア16スレッド/最大5GHz)/Ryzen AI 9 HX PRO 370(12コア24スレッド/最大5.1GHz)のいずれかを選択可能だ。
メモリはLPDDR5X-8000規格(増設/換装不可)で、容量は16GB/32GB/64GBから選べる(Ryzen AI 9 HX PRO 370構成は16GB、Ryzen AI 5 PRO 340構成は64GBを選べない)。ストレージは256GB/512GB/1TB/2TBのSSDを選択可能だ。
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Dell Pro Max 16については、CTOオプションとしてNVIDIA RTX PRO 500 BlackwellまたはNVIDIA RTX PRO 1000 Blackwellを搭載可能だ。
ディスプレイのアスペクト比は16:10で、以下のオプションを用意している(画面サイズ以外のスペックは共通)。
・1920×1200ピクセルWVA液晶(60Hz駆動/最大300ニト/NTSC 45%カバー)
・2560×1600ピクセルWVA液晶(120Hz駆動/最大300ニト/sRGB 100%カバー/ComfortView Plus対応)
Intelモデル(外部GPU構成追加)
Intelモデルについては「後日追加予定」とされていた、NVIDIA RTX PRO BlackwellシリーズのCTOオプションが登場した。追加可能なGPUは以下の通りだ。
・Dell Pro Max 14/16共通
・NVIDIA RTX PRO 500 Blackwell
Dell Pro Max 16のみ
・NVIDIA RTX PRO 1000 Blackwell
・NVIDIA RTX PRO 2000 Blackwell
他の主要な仕様は、3月の発表時と変わりない。
●Dell Pro Max 16/18 Plus(新モデル)
16型の「Dell Pro Max 16 Plus」と18型の「Dell Pro Max 18 Plus」は拡張性の高さを重視したモデルで、メモリは最大256GB、SSDは最大3基(16 Plus)または4基(18 Plus)搭載可能だ。
本製品についてはIntelモデル(MB16250/MB18250)のみとなり、AMDモデルは用意されない。
CPUはCore Ultra 200HXシリーズのIntel vPro Enterprise対応モデルで、Core Ultra 5 245HX(Pコア6基+Eコア8基)/Core Ultra 7 265HX(Pコア8基+Eコア12基)/Core Ultra 9 285HX(Pコア8基+Eコア16基)から選択可能だ。
メモリはDDR5-6400規格のSO-DIMMか、DDR5-7200規格のCAMMとなる。選べる容量は以下の通りだ。
・SO-DIMM構成(デュアルチャネル):16GB/32GB/64GB/96GB
・CAMM構成(デュアルチャネル):64GB/128GB
・CAMM構成(シングルチャネル):256GB(※1)
(※1)CPUをCore Ultra 9 285HXとした場合のみ選択可能
ストレージはPCI Express 4.0またはPCI Express 5.0接続対応のSSDとなる。選べる容量は以下の通りで、先述の通りモデルによって最大3基または4基搭載可能だ(注釈のない限り自己暗号化機能付きでType 2280サイズ)。
・PCI Express 4.0接続:512GB(※2)/1TB/2TB
・PCI Express 5.0接続:1TB/2TB/4TB
(※2)自己暗号化機能なしのモジュール(Type2230)と、自己暗号化機能付きモジュール(Type2280)を選択可
外部GPUはCTOオプションとして追加可能で、以下の選択肢が用意されている。
・NVIDIA RTX PRO 1000 Blackwell
・NVIDIA RTX PRO 2000 Blackwell
・NVIDIA RTX PRO 3000 Blackwell
・NVIDIA RTX PRO 4000 Blackwell
・NVIDIA RTX PRO 5000 Blackwell
ディスプレイのアスペクト比は16:10で、Dell Pro Max 18 Plusは2650×1600ピクセルの18型液晶パネル(最大500ニト/DCI-P3 100%カバー)のみとなる。16型のDell Pro Max 16 Plusについては、以下のいずれかのパネルを選択可能だ。
・1920×1200ピクセル液晶(最大60Hz駆動/最大300ニト/NTSC 45%カバー)
・1920×1200ピクセル液晶(最大120Hz駆動/最大500ニト/DCI-P3 100%カバー)
・3840×2400ピクセル有機EL(タッチ対応/最大120Hz駆動/最大500ニト/DCI-P3 100%カバー/DisplayHDR TrueBlack 1000認証)
WebカメラはフルHD撮影対応のものか、約800万画素(顔認証対応)のものを選択できる。キーボードはテンキーとLEDバックライト付きで、日本語配列と米国英語(US)配列から選べる。電源ボタンと一体化された指紋センサーはCTOオプションだ。
ポート類は左側面に有線LAN(1000BASE-T)端子、HDMI出力端子、Thunderbolt 5(USB4 Version 2.0)端子×2、SDメモリーカードスロットとスマートカードリーダー(CTOオプション)を、右側面に3.5mmオーディオジャック、Thunderbolt 4(USB4 Version 1.0)端子とUSB 3.2 Gen 1 Standard-A端子×2を備える。Thunderbolt 4/5ポートはいずれもUSB PDによる電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応する。
ワイヤレス通信はWi-Fi 7(IEEE 802.11be)に対応しており、Bluetooth 5.4対応の有無はCTOオプションで選択可能だ。また、CTOオプションでは5G通信モジュールの有無も選択できる。
バッテリーは6セルで、CTOオプションでロングライフサイクルモジュールに変更することもできる。定格容量はいずれのモジュールも96Whだ。
●Dell Pro Max 14/16 Premium(新モデル)
14型の「Dell Pro Max 14」と16型の「Dell Pro Max 16 Premium」は、外部GPUを搭載しても持ち運びやすいサイズ感と重量を実現したというプレミアムモデルだ。先に登場した「Dell 14/16 Premium」でおなじみの「ゼロラティスキーボード」を搭載しているが、大きく明確に区別されたタッチパッドも備えている。キーボードは日本語配列とUS配列から選択可能だ。
本モデルについても、Intelモデル(MA14250/MA16250)のみ取りそろえる。
CPUはCore Ultra 200Hシリーズで、いずれもPコア6基+Eコア8基構成のCore Ultra 7 255H(Pコア6基+Eコア8基)/Core Ultra 7 265H(vPro Enterprise対応)/Core Ultra 9 285Hから選べる。メモリはLPDDR5X-7647規格で、容量は16GB/32GB/64GBから選択可能だ。CTOオプションの外部GPUは、NVIDIA RTX 1000 BlackwellとNVIDIA RTX 2000 Blackwellを選択可能で、ボディーサイズの大きいDell Pro Max 16 PremiumについてはNVIDIA RTX 3000 Blackwellも選べる。
なお「CPU」「メモリ容量」「外部GPUの有無(種類)」については、相互にCTOオプションの選択肢に影響するようになっている。選択肢によっては選べないオプションも出てくるので注意したい。
ストレージはPCI Express 4.0接続のSSDで、容量は256GB/512GB/1TB/2TBから選べる。256GBと512GBの場合は、自己暗号化機能の有無を選択可能だ(※3)。
(※3)自己暗号化なしのモジュールはType2230、ありのモジュールはType2280となる
ディスプレイはアスペクト比16:10で、以下のオプションを用意している(画面サイズ以外のスペックは共通)。
・1920×1200ピクセル液晶(最大60Hz駆動/最大400ニト/sRGB 100%カバー/ブルーライト軽減)
・2880×1800ピクセルタンデム有機EL(最大60Hz駆動/最大400ニト/DisplayHDR TrueBlack 500認証取得/DCI-P3 100%カバー/ブルーライト軽減)
Webカメラは約800万画素で、HDR撮影や顔認証に対応している。電源ボタンと一体化された指紋センサーはCTOオプションだ。
ポート類は左側面にThunderbolt 5端子×2を、右側面にmicroSDメモリーカードスロット(14 Premium)またはSDメモリーカードスロット(16 Premium)、Thunderbolt 4端子×2とオーディオジャックを備える。
ワイヤレス通信はWi-Fi 7(IEEE 802.11be)に対応しており、Bluetooth 5.4対応の有無はCTOオプションで選択可能だ。
バッテリーは14 Premiumが4セルで定格容量72Wh、16 Premiumが6セルで定格容量96Whとなる。いずれも、CTOオプションでロングライフサイクルモジュールに変更することも可能だ。
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