
職場で良かれと思ってした行動が、かえって気まずい思いを生むことがある。投稿を寄せた40代女性は、新入社員時代にそんな経験をしたという。
当時、女性が勤めていた会社には誕生月に1日休みがもらえる「誕生日休暇」があり、社員同士で誕生日を祝い合う雰囲気があったという。ある日、女性の誕生日に直属の上司がホールケーキを買ってきてくれた。
「15時にお茶を淹れて休憩する習慣があったので、その時間にケーキをカットして食べることにしました」
当時の部署は3人で、食べきれないため離れた場所にある他の部署の女性社員たちにも「お裾分けで持って行きました」というが……。(文:篠原みつき)
「え?私にはお礼言ってくれないの?」
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女性が「誕生日でいただいたので、よかったらどうぞ」と、他部署の先輩たちに配ると、「誰から?」と尋ねられた。
「『〇〇課長にいただきました』と答え、自分の部署に戻りました」
しかし休憩後、女性はモヤっとする光景を目にする。
「他の部署からケーキをお裾分けした女性たちが代わる代わる『〇〇課長、ごちそうさまでした!』と挨拶に来ました」
お裾分けしたのは自分なのに、お礼はケーキを買った上司にだけ。思わず「え?私にはお礼言ってくれないの?なんか違う気がする」と本音が漏れた。
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「私と先輩は20歳前後。ケーキを買ってきてくれた上司は40代男性。先生と生徒のような空気感で日頃から不満なども言い合える仲だったので、自分の感覚がおかしいのかを話題にしました」
上司は、「確かにあなたの言うとおりだ」「会社で食べずに持ち帰ってもいいケーキをみんなに分けたんだから、お礼はあなたに言うべきだよね」と同意してくれたという。
もちろん、お礼を言いに来た同僚たちに悪気はなかったのだろう。ただ、「誰から?」と訊ねられたとき、「課長から」と伝えたことで、単に「茶菓子を買ってきてくれた相手にお礼を言う」という流れにすり替わってしまったのかもしれない。
女性は「自分が逆の立場だったら誕生日の人にお礼を言い、ケーキを買ってきた上司にはお礼を言う必要はないと思っていますが、社会人としてどちらが正しいのか考えさせられました」と当時を振り返る。そして、40代になった今はこう考えている。
「もし自分が当時の上司と同じ立場なら『◯◯さん(私)の誕生日にプレゼントしたケーキだから、◯◯さんにお礼を言ってね』と言ってあげるのが正解かなと、今でも思い出します」
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誰に感謝を伝えるべきか。ささいなことのようだが、職場の人間関係を円滑にするためには、気を付けたほうがいい点かもしれない。
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