【インタビュー】清野菜名が明かす、「新しい体験」だけじゃない“冒険”の意義とは

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2025年07月29日 07:50  cinemacafe.net

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清野菜名/photo:You Ishii
『トイ・ストーリー』シリーズや『リメンバー・ミー』など、夢があふれるファンタジーな世界観で感動を届けてくれるディズニー&ピクサー。最新作『星つなぎのエリオ』は、両親を失った主人公エリオが、何光年も離れた星で、本当の居場所や大切なつながりを見つけるドラマティックな物語だ。

本作では、ある日突然エリオの親代わりとなる叔母・オルガの日本版声優を清野菜名が務めた。俳優としてのキャリアは着実に積んでいる清野だが、アニメーションの声優には初挑戦。「ずっとディズニー作品の声優のお仕事にチャレンジしたいと思っていたので、ようやく叶って嬉しかったです」と伝えてくれた清野。その実、声のみでキャラクターを表現することは繊細でとても難しい経験だったと、奮闘ぶりを明かしてくれた。

単独インタビューでは、挑戦することについて「してみるものですね!経験も積まれるので」と強くうなずいた彼女のエピソードと、これまでにチャレンジした“冒険”についても、声をはずませて教えてくれた。

吹き替えはキャラクターと一緒に悩みながら

――清野さんは『星つなぎのエリオ』でディズニー&ピクサー声優に初挑戦されました。ご自身の声が入った作品をご覧になって、いかがでしたか?

自分の声を聞き慣れていないので、前半はもう…緊張しながら観ていましたが、ストーリーが本当に素敵なので、どんどん『エリオ』の世界観に引き込まれました! そして、気が付いたら、時間を忘れるくらい最後まで没頭していました。

本当に心が温まる作品で、たくさんの愛が宇宙に散りばめられていて、まるで“幸せを浴びる”ような感覚になりました。そして観終わった後は、自分のことを愛してくれたり、大事にしてくれている人達に会いたいなぁという、幸せな感情が湧き出ました。

――物語の舞台が“星々の世界”(宇宙)なので、ファンタジックな要素もふんだんにありながらドラマ的にも見どころばっちりですよね。特に好きなシーンはありましたか?

エリオとエイリアンの少年・グロードンは似たもの同士で、距離がグッと近くなりすごく仲良くなるシーンがあるのですが、「友情っていいな〜! 素敵!」と思いながら見入ってしまいました! そして、二人が、コミュニバース(※様々な惑星から星々の代表が集まる場所)を探検したり、不思議なドリンクを飲んだりする姿がすごく楽しそうで、観ていて私も一緒に微笑んでしまうくらいすごく好きなシーンです。

――清野さんは、そのエリオの叔母となるオルガを演じました。ある日突然親代わりとなるわけですが、共感するような気持ちもありましたか?

エリオのことを思う気持ちが強いが為に、きつめに言ってしまうところは、すごく分かるな…と思いました。オルガは、これまで一人で生活していた環境から急に親代わりとなってエリオと二人きりの生活が始まり、そして仕事との両立を葛藤するというキャラクターなので、オルガと一緒に悩みながら、私も声を入れるように心がけていました。

――オルガは宇宙飛行士を目指していて、その夢に手が届きそうなタイミングでエリオとの生活が始まりましたもんね。そのあたりの選択の悩みは、現実世界でもあるあるなことかもしれません。

そうですよね。現代を生きる人の等身大の悩みかもしれないなというのは演じていてすごく感じました。



難しい挑戦は「新しい体験」に

――清野さんの声には、そんな葛藤もエリオを愛おしむ思いもきちんと乗っていました。多くの俳優が声優のお仕事は難しいとおっしゃいますが、清野さんは…。

(何回もうなずく)

――ものすごくうなずかれています(笑)、難しかったと!

本当に、難しかったですね!! どうやったら声に変化が出せるのか、右も左も何もかもわからなくて…。アニメーションの声優のお仕事は初めての経験だったので、本当に手探りでした。声を当てながら、監督から「こういう雰囲気に変えてやってみよう」というアドバイスをいただきながら、本当に少しずつ作り上げていきました。

――非常に繊細な工程を踏んだのですね。ご自身での練習は、どんな感じでやっていたんですか?

台本をひたすら声に出して読んでいました。本番に向けて、噛んだり焦らないように、何回も何回も練習しましたね。英語のセリフの上に日本語のセリフを入れるということと、キャラクター達の口の動きに合わせてセリフを入れるという作業に慣れるまで、すごく時間がかかりました。普段お芝居をする上では、自分の間でセリフを喋っていますが、すでにリズムが決まっているところに自分の感情も乗せるので、そこが難しくて、技術的な部分も含めてかなり苦戦しました。

――それでも見事にやりおおせたわけで、「自分の声、良かったな」と褒めてあげられる感じもありますか?

ええー…どうでしょうか(笑)。自分の声が流れるのはまだちょっと恥ずかしい気持ちになりますね。すごく不思議な気持ちです。それでも、「まだまだこういう新しい体験ができるんだ!」と思うと、すごくワクワクしました。



冒険はしてみるもの!「人生経験も積まれる」

――新しい体験ということにかけて、これまでの人生の中で一番の体験・冒険といえば、どんな出来事が思い浮かびますか?

22歳の時に初めて行った海外です。2週間、プライベートで一人でハワイに行ったんです。英語の勉強というか、英語に触れてみたいなと思い、行きました。自分の中ではかなりの大冒険でしたね。飛行機に乗る前からずっとドキドキしていたのを今でもすごく覚えています。私は引っ込み思案な性格で、お店に行って注文するのも苦手なタイプなんです。当時私の注文した声が小さかったのか、店員さんに聞き返されたことがあって、それからお店で注文するのが怖くなってしまって…。結局その後、食べないという選択をしてしまい痩せて帰ってきてしまったんです(笑)。

それで、23歳の時に3か月くらいハワイに行って、リベンジしたんです。その時にはオーダーも自分で出来るようになっていました。前に失敗した経験があったからこそ、すごく自信がつきました。

――冒険って、してみるものですか?

してみるものですね!! 人生経験も積まれたと思います。

――そんな清野さんが、これからしてみたい冒険はありますか?

あります。ずっと前からオーロラを見てみたいと思っていて、これは一つの夢でもあるんです。なんで空にあんな幻想的な世界が広がるんだろう…ってすごく不思議なので、一度は実際に自分の目で見てみたいんです。見える時期やタイミングがあるそうなので、それを目がけて見に行きたいです。

――そうした旅先では、思わずカメラを向けるタイプですか? それとも我が目に焼き付けるタイプですか?

目に焼き付けるタイプです! …あ。いや、友達に撮ってもらうタイプです(笑)。「後で送って」みたいな(笑)。いつか本当に、行ってみたいです!




(text:赤山恭子/photo:You Ishii)

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