バスケットボール女子Wリーグ2連覇の強豪に、新たな風を吹き込む存在が加入した。
富士通レッドウェーブは29日、神奈川・川崎市内の体育館で練習を公開。10月の開幕に向け、米シカゴ大卒で新加入のSG佐藤華純(23)が決意を口にした。
「お母さんの日本での姓で佐藤華純。7歳上のお兄さんが、ポケモントレーナーの『カスミ』から選びました。私は全然、ポケモンには興味がないけれど(笑い)。アメリカではお父さんの姓がノースで、ソフィア・ノース。カスミはミドルネームで、コートネームが『ソフ』になりました」
米国人の父が約10年間日本で暮らしていたことがあり、日本人の母と結婚。自身は米ペンシルベニア州ピッツバーグで生まれた。6歳の時にNBAを初観戦。レブロン・ジェームズ(40=レイカーズ)のプレーに魅了され、自身もバスケットボールの世界へ進んだ。
武器は3点シュート。これまでも定期的に数カ月間日本を訪れ、Wリーグに興味を持ち始めた。自ら「チャンピオンだったし、選手も日本代表が多い。私に合っていると思った」と富士通にコンタクトをとり、トライアウトを経て、入団に至った。現在は24年パリ五輪日本代表主将で、同じSGの林咲希(30)らから学ぶ日々。チームの生命線である守りを含め、米国と異なるスピード重視のスタイルに順応を目指している。
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将来の夢は日本代表となり、五輪に出場することだという。パリ五輪の1次リーグで日米対決があった際も、自然と感情は日本に寄っていた。
「女子は日本を応援していました。男子はレブロンがいるので、アメリカ。シカゴ(大学出身)で(自身の背番号も)23番ですが、私はマイケル・ジョーダンよりレブロンが好きです」
現在は家族を米国に残し、寮生活を送っている。休日には新宿などで買い物や食事を楽しみ「すしや、いくら丼が大好きです」と頬を緩める。まずはチーム内での競争で頭角を示し、秋からのシーズンで、コートに立つ時間を増やしたい。
「シーズン中は両親も日本に来ると思います。私はシューターなので、高い確率でシュートを打てる人になりたい。次のレベルでも、リーグ内で、トップシューターになりたいです。チームメートから、たくさんのことを学んでいます。特にディフェンスで、いつも練習でアドバイスをもらえるので、もっとインプルーブ(向上)させたいです」
これまで米国でキャリアを形成し、日下光ヘッドコーチからも「すごくタフな選手。富士通のバスケットのスタイルを吸収しようとする姿勢も素晴らしい。1対1で守れなかったりすることもあるが、取り組み方が素晴らしい。少しずつ良くなってきています」と評される。「カスミ」の新たな挑戦が始まった。【松本航】
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