バスケットボール女子でWリーグ2連覇中の富士通に復帰した21年東京五輪(オリンピック)3人制代表のSG前沢(旧姓篠崎)澪(みお、33)が29日、新たな挑戦への覚悟を語った。
神奈川・川崎市内で行われた全体練習に参加。仲間と意思疎通を図りながら汗を流し、練習を終えて「前に(富士通に)いたから、と気を使われるのが嫌です。自分から積極的にコミュニケーションを取って、分からないところは聞きにいく。若い子とも関わり、自分で壁を作らないようにしています」とほほ笑んだ。
新加入の1人だが、21−22年シーズンまで在籍した古巣だ。結婚を経て、23年4月に長女を出産。産後約4カ月で国民スポーツ大会へ出場を目指す神奈川県の一員としてプレーした。現役時代のような動きができなくても「楽しいな」という気持ちが芽生えていた。
自身が去った後の富士通は昨季までWリーグ2連覇。かつての同僚が喜ぶ姿を見て「一緒にやっていたメンバーが優勝して『すごいな』と思ったのと同時に『私も、もう1回、こういう中で挑戦したい』とすごく思いました」と背中を押された気持ちになった。
富士通での復帰が決まり、合流から1カ月半ほどが経過した。話し合いを経て、拠点だった青森から家族全員で練習場近くへ引っ越した。日下光ヘッドコーチは「今はあまり無理をさせたくない。プレータイムもサマーキャンプはコントロールした」としながら「めちゃくちゃいい。彼女の覚悟を、僕は復帰に感じています。強みであるカッティング、ディフェンスの激しさを継続しつつ、アース(日本代表活動に参加していた宮沢夕貴)だったりベテラン組が戻ってくる時に、いいアクセントになってくれればいい」と期待する。
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前沢自身、日下ヘッドコーチからは「ディフェンスができないと、試合には出さない」と告げられているという。21年東京五輪銀メダルのPG町田瑠唯(32)らとのプレーを心待ちにしつつも「まずはレベルに追い付かないといけない」と気を引き締める。
復帰後の新たなモチベーションの1つが、家族の存在だ。登録も旧姓の篠崎から前沢となり「復帰できたのも家族のおかげ。家族を背負ってやっている気持ちは強くあります」と笑った。2歳となった愛娘には「カカはバスケやるよ。ファイト、ファイトするね」と伝えており「普段の練習風景を子どもは見られない。試合でコートに立っている姿を見せたいです」と言い切った。
開幕戦は10月18日、神奈川・小田原アリーナでのデンソーアイリス戦となる。心新たに前沢として、常勝軍団で存在感を示す。【松本航】
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